出席停止(学校)とは、感染症の予防または他の児童生徒の教育を受ける権利の保障のため、特定の児童生徒に一定期間の登校を禁じる学校の措置である。
学校現場で「出席停止」というとき、性格の異なる二つの措置が同じ名で呼ばれることをどう整理するか。一つは学校保健安全法第19条に基づき、インフルエンザや新型コロナなどの感染症にかかった児童生徒に対し校長がその出席を停止させる措置で、感染の拡大を防ぐ公衆衛生上の判断である。もう一つは学校教育法第35条(中学校は第49条で準用)に基づき、性行不良で他の児童生徒の教育に妨げがあると認められる児童生徒の保護者に対し市町村教育委員会が出席停止を命じる措置で、加害児童を一時的に学校から遠ざけ被害児童の学習環境を守る趣旨をもつ。前者は欠席ではなく出席停止として扱われ、後者は懲戒(退学・停学)と異なり義務教育下でも用いうる点に特徴がある。窓口では、感染症による出席停止が日数の蓄積で出席停止扱いとなるのに対し、性行不良による出席停止は教育委員会の命令という重い手続を要することを混同しないよう確認する。
感染症による出席停止(学校保健安全法第19条)
学校保健安全法第19条は、校長が、感染症にかかっている、かかっている疑いがある、またはかかるおそれのある児童生徒等の出席を停止させることができると定める。対象となる感染症と出席停止の期間の基準は学校保健安全法施行規則第18条・第19条が学校感染症として三種に分けて列挙し、たとえばインフルエンザは「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」と定める。出席停止は欠席ではなく、指導要録上も欠席日数に算入されない。判断は校長が行い、保護者への連絡と教育委員会への報告を伴う。学級閉鎖・学年閉鎖(臨時休業)が集団を対象に学校設置者が行うのに対し、出席停止は個々の児童生徒を対象とする点で区別される。
性行不良による出席停止(学校教育法第35条)
学校教育法第35条は、市町村教育委員会が、性行不良であって他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対し、児童の出席停止を命ずることができると定める。他人を傷つける行為、施設や設備を損壊する行為、授業を妨げる行為などが繰り返され、他の児童生徒の教育を受ける権利が侵害される場合に用いられる。命令にあたっては理由および期間を記載した文書を交付し、出席停止の期間中の学習支援などの措置を講じることが求められている。義務教育では退学・停学といった懲戒処分が制度上できないため、加害児童を一時的に学校から引き離しつつ被害児童の学習環境を回復する手段として位置づけられる。実際の運用件数は年間数件程度と少なく、出席停止の発動は最終的な手段とされる。
つながりのある用語
対比
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)