ジチテン

集落協定

読み:しゅうらくきょうてい

意味

集落協定とは、中山間地域等直接支払制度において、農業者が集落単位で農用地の維持・管理や共同取組の内容を5年以上にわたり取り決め、交付金交付の前提とする協定をいう。

中山間直接支払多面的機能支払の交付金は、誰がどの農地をどう守るのかを集落でどう約束するかが交付の入口になる。制度が交付対象を個々の農家ではなく集落協定という共同体に置くのは、傾斜地など条件不利な農地を一筆ごとに守らせるのが難しく、共同で耕作放棄を防ぐ仕組みが要るからである。協定には対象農用地の範囲、5年以上の農業生産活動の継続、農道水路の管理や鳥獣被害対策といった共同取組の内容を盛り込む。市区町村は協定を認定し、面積と農地区分(急傾斜田・緩傾斜田・畑・草地)に応じた交付単価で交付金を算定する。協定期間の途中で農地を放棄すると遡及返還を求められるため、担い手不足の集落では5年間の継続をどう確保するかが現場の最大の論点となる。

交付の単位を集落に置く理由

集落協定の核は、交付対象を個人ではなく集落という共同体に置く点にある。中山間地域の農地は急傾斜で区画が小さく、一筆ごとに維持コストを補償しても耕作放棄の連鎖は止まりにくい。そこで農道・水路の泥上げ、法面の草刈り、鳥獣被害対策といった一人では担いきれない作業を共同取組として協定に書き込み、集落ぐるみで条件不利地を守る設計とした。交付単価は急傾斜田で10アール当たり2万1000円など農地区分ごとに定められ、配分方法も協定の中で取り決める。個別協定(認定農業者等が単独で結ぶ)も認められるが、共同取組を要件とする集落協定が制度の基本形である。

5年継続要件と遡及返還リスク

集落協定は5年以上の農業生産活動の継続を交付要件とし、期間途中で対象農地を耕作放棄すると交付済みの交付金の遡及返還を求められる。この返還リスクが、高齢化と担い手不足が進む集落で協定の締結・更新をためらわせる要因になっている。第5期対策(令和2年度開始)では、返還を協定全体でなく放棄した農地の部分に限る措置や、体制整備に取り組む集落への加算など、継続のハードルを下げる見直しが図られた。市区町村の農政担当は協定の認定・指導と交付事務に加え、集落のリーダー(協定の代表者)の確保や次世代への引き継ぎを支援する役割を担う。

つながりのある用語

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