ジチテン

所得控除

読み:しょとくこうじょ

意味

所得控除とは、税額を計算する前に所得金額から一定の金額を差し引き、課税標準を圧縮することで納税者の事情を税負担に反映させる仕組みをいう。

扶養家族がいる、医療費がかさんだ、といった事情はどこで税額に反映されるのか。それは税率を掛ける前の段階で所得から差し引く所得控除の役割である。

所得控除は、所得金額から納税者の担税力を減じる事情に応じた金額を差し引き、残った額を課税標準として税率を乗じる仕組みである。控除する段階が税率を掛ける前にあるため、同じ控除額でも適用税率が高い人ほど減税額が大きくなり、税額そのものから引く税額控除とは性格が異なる。個人住民税の所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、医療費控除、生命保険料控除など、納税者の家族構成や支出の実情を反映する多様な項目がある。所得税と個人住民税では同じ名称の控除でも控除額が異なるものが多く、たとえば基礎控除や扶養控除は住民税の方が金額が小さい。課税担当者は確定申告給与支払報告書の記載を基に控除の適否と金額を確認し、課税標準を確定させる。

所得控除の種類と性格

所得控除は、その趣旨から大きく人的控除と物的控除に分けられる。人的控除は納税者本人や扶養親族の生活事情を考慮するもので、基礎控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除などがこれにあたる。物的控除は特定の支出があった事実を考慮するもので、社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・医療費控除・小規模企業共済等掛金控除・寄附金控除などがある。これらは納税者の担税力を実態に即して測るための調整であり、同じ所得金額でも家族構成や支出の有無によって課税標準が変わる。個人住民税の人的控除額は所得税より低く設定されているものが多く、この差が後段の税額控除である調整控除を必要とする原因となっている。

計算における位置と住民税の特徴

所得控除は個人住民税の税額計算の中で、所得金額の算定と税率の適用のあいだに位置する。給与所得者であれば収入金額から給与所得控除を引いて所得金額を求め、そこからさらに所得控除を差し引いて課税標準額を確定し、これに標準税率である所得割10パーセントを乗じて所得割額を算出する。所得税が当年の所得に課されるのに対し、個人住民税は前年の所得を基準とする前年所得課税であるため、適用される所得控除も前年分の事情に基づく。市区町村は確定申告書や給与支払報告書、年金支払報告書から控除項目を把握し、控除額を積み上げて課税標準を計算する。控除の適用漏れや二重適用があると課税標準が狂い税額誤りに直結するため、課税担当者は控除要件の確認を申告内容の審査の中心に据えている。

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