消費者安全法とは、消費者の消費生活における被害の防止と安全の確保を図るため、自治体の体制整備や消費者事故等への対応を定める法律(平成21年法律第50号)である。消費生活センターの設置根拠でもある。
消費者安全法は、消費者庁の発足と同時期に施行され、地方公共団体の消費者行政の事務と、国による消費者事故等への対応の枠組みを定める法律である。自治体に対しては、消費生活相談の事務を行うこと、都道府県は消費生活センターを設置すること(市町村は努力義務)、消費生活相談員を配置することなどを規定する。あわせて、生命・身体に被害を及ぼす重大事故等が起きた場合に行政機関が消費者庁へ通知する仕組みや、消費者庁が事業者名を含めて注意喚起・勧告を行う権限を定める。これにより、各地の消費生活センターに寄せられた相談情報(PIO-NET)と国の対応とが結びつき、被害の拡大防止につながる。自治体の消費者行政担当にとっては、相談体制の整備義務や国への通知義務の根拠となる基本法令である。
自治体の事務と体制整備
消費者安全法は、地方公共団体が処理する消費者行政の事務を定める。具体的には、消費生活相談(苦情の処理のあっせんを含む)、消費者への啓発・情報提供などである。そのうえで、都道府県には消費生活センターの設置を義務付け(必置)、市町村には設置の努力義務を課す。また、相談の中核を担う消費生活相談員について、国家資格を持つ者などを充てることとし、その専門性を制度的に位置づけている。これらは、消費者被害の最前線である地方の相談体制を底上げする趣旨である。
消費者事故への対応と注意喚起
消費者安全法のもう一つの柱は、消費者事故等への国の対応である。行政機関や自治体は、生命・身体に重大な被害を及ぼす事故等を知ったときは消費者庁に通知し、消費者庁はこれらの情報を集約・分析する。被害の拡大のおそれがあるときは、消費者庁が消費者に対して事業者名を含めた注意喚起を行い、必要に応じて事業者への勧告・命令を行う。他の法律では規制できないすき間事案に対応できるよう、消費者庁に横断的な権限を与えている点が特徴である。
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