障害者計画とは、障害者基本法第11条に基づき、国・都道府県・市町村がそれぞれ障害者のための施策に関する基本的な事項を定める計画である。障害福祉サービスの提供体制に絞った障害福祉計画と異なり、教育・雇用・医療・まちづくりなど施策全般にわたる理念と方向性を示す。
障害のある人の暮らしは、福祉サービスだけでなく、教育や就労、移動や住まいなど生活のあらゆる場面に関わる。障害者計画は、それらの施策を一つの方向にそろえるために、自治体の障害者施策の全体像と理念を示す行政計画である。
障害者基本法第11条は、国に障害者基本計画の策定を義務づけ、都道府県と市町村にもこれに即した障害者計画の策定を義務づけている。計画には、相談・福祉サービスだけでなく、保健・医療、教育、雇用・就労、生活環境の整備、差別の解消といった分野横断の施策が盛り込まれる。実務では、同じく障害分野の計画である障害福祉計画・障害児福祉計画と一体の文書にまとめて策定する自治体が多い。障害者計画が施策全般の理念・方向性を示す上位の理念計画であるのに対し、障害福祉計画はそのうちサービス提供体制に焦点を当てた数値目標つきの実施計画であり、両者の役割の違いを押さえることが計画づくりの出発点となる。
障害者基本法に基づく三層の計画
障害者計画は、障害者基本法第11条を根拠とする法定計画である。同条は、国が障害者基本計画を、都道府県が都道府県障害者計画を、市町村が市町村障害者計画を策定するという三層の構造を定めている。下位の計画は、上位の計画を基本としつつ当該地域の実情を踏まえて策定することとされ、国の基本計画が全国的な施策の方向を示し、都道府県・市町村がこれを地域に展開する。市町村計画は住民に最も身近な施策を、都道府県計画は広域的な調整や専門的な支援基盤の整備を主に担う。国の障害者基本計画はおおむね5年を一期として見直されており、都道府県・市町村もこれに合わせて計画期間を設定する例が目立つ。
障害福祉計画・障害児福祉計画との関係
実務で障害者計画を扱ううえで最も混乱しやすいのが、障害福祉計画・障害児福祉計画との区別である。障害者計画は障害者基本法に基づき、保健・医療、教育、雇用、生活環境など障害者施策の全分野にわたる理念と基本方針を示す理念計画である。これに対し、障害福祉計画は障害者総合支援法に基づき障害福祉サービス等の提供体制を、障害児福祉計画は児童福祉法に基づき障害児支援の提供体制を、それぞれサービス見込量や成果目標といった数値で定める実施計画である。計画期間も、障害者計画がおおむね5年であるのに対し、障害福祉計画・障害児福祉計画は3年を一期とする点で異なる。これら複数の計画を一冊の文書に束ねて策定する自治体は少なくないが、根拠法も性格も異なる別個の計画であることに留意して整合を図る必要がある。
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