ジチテン

処分庁

読み:しょぶんちょう

意味

処分庁とは、審査請求や取消訴訟で争われている当該処分または不作為をした行政庁をいう。

不服を申し立てたり処分の取消しを求めたりするとき、「誰がその処分をしたのか」を確定しなければ、相手方も審理の手続も定まらない。処分庁とは、その争われている処分を実際に行った行政庁を、審査庁や裁判所の側から見て呼ぶ呼称である。市区町村では原則として長が処分庁となり、窓口で職員が審査・起案していても、生活保護却下や営業許可の取消しといった処分は市長の名で外部に表示されるため、処分庁は市長である。行政不服審査法では、処分庁に上級行政庁があるかどうかで審査請求の宛先が変わり、上級庁があればその上級行政庁が、なければ処分庁自身が審査庁となる。審査請求書はいったん処分庁を経由して提出することもでき(処分庁経由の審査請求)、処分庁は審査の過程で弁明書を提出して自らの処分の理由を主張する立場に立つ。

審査請求の宛先を決める起点

行政不服審査法では、審査請求をどの行政庁に対してするかが処分庁の位置によって決まる。原則として、処分庁に上級行政庁があるときはその最上級行政庁が審査庁となり、上級行政庁がないとき(市町村長など独任の長や大臣の処分)は処分庁自身が審査庁となる。市区町村長の処分は上級行政庁を持たないため、長自身が処分庁かつ審査庁となり、審理は処分に関与しない職員が審理員として担当して中立性を確保する。誰が処分庁かを取り違えると、審査請求の宛先や審理員指名の要否を誤るため、処分の名義が委任を受けた機関にあるのか専決による長名義にとどまるのかを根拠規定で確かめる必要がある。

処分庁経由の審査請求と弁明書

審査請求は審査庁に直接するのが原則だが、処分庁を経由して審査請求書を提出することも認められており、この場合に処分庁は受け取った請求書を速やかに審査庁へ送付する。審理が始まると、処分庁は審理員から求められて弁明書を提出し、争われている処分や不作為について、その根拠と理由を主張・立証する当事者の立場に立つ。これは行政が自らした処分の適法性・妥当性を自ら説明する手続であり、請求人はこれに対して反論書で応じる。取消訴訟では、処分をした行政庁が所属する国または公共団体が被告となるため、処分庁の確定は被告適格を画定する前提にもなる。

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