ジチテン

消防力の整備指針

読み:しょうぼうりょくのせいびししん

別名:消防力の基準
意味

消防力の整備指針とは、市町村が消火・救急・救助などの消防活動を行うために必要な消防署所・車両・人員などの消防力について、確保すべき目標水準を消防庁が示した指針をいう。

「自分の市は消防車や消防職員が足りているのか」を点検する物差しが消防力の整備指針である。市町村の消防責任を実効あるものにするため、消防庁告示として、人口や市街地の規模に応じて整備すべき消防署所の数、消防ポンプ自動車・はしご車・救急自動車などの車両数、それらを運用する消防職員の数などの目標水準を算定方法とともに示す。かつて「消防力の基準」と呼ばれた基準を平成17年に改め、地域の実情に応じた整備を促す「指針」として位置づけ直した経緯がある。指針が示すのはあくまで目標であり、各市町村は財政状況や地域特性を踏まえて整備計画を立てる。総務省消防庁は定期的に全国の消防力の整備状況(充足率)を調査・公表しており、自団体の充足率がこの指針に照らして低い場合は、計画的な増強や近隣との広域化を検討する判断材料となる。

指針が定める内容と算定方式

消防力の整備指針は、市町村が確保すべき消防力を、施設・車両・人員の三つの面から数量的に示す。具体的には、管轄人口や市街地の面積・建物密度に応じて、設置すべき消防署・出張所の数、配備すべき消防ポンプ自動車・はしご自動車・化学消防車・救急自動車・救助工作車などの車両数、そしてそれらを交替勤務で運用するために必要な消防職員数を算定する式を定める。算定は地域の実情を反映できるよう一定の幅を持たせており、画一的な数値の押し付けではなく、各市町村が整備目標を立てる際の標準として機能する。救急需要の増大や高層建築物の集積など地域の変化に応じて、必要な車両・人員の構成も変わるため、指針は社会情勢に合わせて見直される。

充足率と整備計画への活用

総務省消防庁は、全国の市町村について、整備指針が示す目標水準に対して実際にどれだけ消防力が確保されているかを示す充足率を調査し公表している。充足率は署所・車両・人員といった項目ごとに算定され、自団体の弱点がどこにあるかを客観的に把握する手がかりになる。充足率が低い項目があれば、市町村は中長期の整備計画に基づいて車両更新や職員採用を計画的に進めるか、単独での充足が困難な場合は近隣市町村との消防の広域化や相互応援によって補う。指針は法的な強制力を持つ最低基準ではなく目標としての性格が強いが、住民への説明責任や財政当局との折衝において、消防部局が増強の必要性を裏づける根拠として用いられる。

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