ジチテン

消防水利

読み:しょうぼうすいり

意味

消防水利とは、火災の消火活動に使用する水の供給源として整備・指定される消火栓・防火水槽・河川・池・プールなどの施設または水源をいう。

火災現場で消防隊がすぐ水を取れるかどうかは、平時の消防水利の整備状況で決まる。消防水利には水道管から取水する消火栓と、独立した水源である防火水槽(耐震性貯水槽を含む)のほか、河川・池・濠・プール・井戸など消火に使える自然・人工の水源が含まれる。消防法は市町村に消防水利の設置を義務づけ、消防庁が定める消防水利の基準が、市街地の用途・規模に応じて確保すべき水利の種類や配置間隔(おおむね半径100〜140メートルに1か所など)を示す。消火栓は水道の断水・停電で使えなくなる弱点があるため、地震災害に備えて自己水源である防火水槽の整備が重視される。消防水利は消防本部が台帳で管理し、消火栓の維持管理は水道事業者と連携して行うのが通例である。

消火栓と防火水槽の使い分け

消防水利は、大きく水道に依存する消火栓と、水道に依存しない防火水槽に分けられる。消火栓は水道管に直結して取水するため設置や維持の負担が小さく市街地に多く配置されるが、地震で水道管が破損したり停電でポンプ場が止まったりすると使用できなくなる弱点がある。これに対し防火水槽は一定量の水をあらかじめ貯えておく独立した水源で、水道が断たれても使用できるため大規模地震を想定した備えとして重視される。とくに地震動で破損しにくい構造の耐震性貯水槽の整備が進められてきた。市町村は消防庁の消防水利の基準に従い、市街地の用途・建物密度に応じて消火栓と防火水槽を組み合わせ、消火活動の空白地域が生じないよう配置間隔を確保する必要がある。

法的位置づけと維持管理

消防水利は消防法に根拠を持ち、市町村は消火栓・防火水槽その他の消防の用に供する水利施設を設置・維持・管理する義務を負う。整備の水準は消防庁告示である消防水利の基準が定め、確保すべき水利の容量・配置間隔・種別を市街地の規模ごとに示す。維持管理の実務では、消火栓は水道事業者が布設・管理する水道施設を兼ねるため消防本部と水道部局の連携が必要になり、防火水槽は消防本部や施設管理者が点検する。既存の消防水利の位置は消防本部が水利台帳や地図情報システムで管理し、出動時に最寄りの水利を即座に把握できるようにしている。私人が所有する池やプールを消防水利として指定する場合は、消火活動への使用について所有者の承諾を得て管理する。

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