ジチテン

自然環境保全法

読み:しぜんかんきょうほぜんほう

意味

自然環境保全法とは、自然公園法その他の自然環境の保全を目的とする法律と相まって、原生状態を維持している地域や優れた自然環境を保つ地域を自然環境保全地域等として指定・保全することを定める法律である。

国立公園のような利用を前提とした自然保護とは別に、手つかずの原生自然をそのまま残すための制度はどこにあるのか。それを担うのがこの法律である。1972年に制定され、人の活動の影響を受けていない原生自然環境保全地域、優れた自然環境を維持する自然環境保全地域などの指定区分を設ける。区域内では一定の行為が許可制・届出制の対象となり、自然がそのまま保たれる。自然公園法が景観や利用との両立を図るのに対し、本法はより厳格に自然そのものの保全を重視する点で性格が異なる。2019年からは沖合の海域を対象とする海域の保全地域も加わった。

自然公園法との役割分担

自然環境の地域指定による保全は、自然公園法と自然環境保全法の二本立てで担われている。自然公園法は国立公園・国定公園など、優れた風景地を「保護しつつ利用する」ことを目的とし、観光・レクリエーションとの両立を前提とする。これに対し自然環境保全法は、原生状態を維持する地域や優れた自然環境を有する地域を、利用よりも保全の優先度を高めて守る。両法は対象とする自然の性格と保全の厳格さで棲み分けており、生物多様性基本法を理念上の上位に置きつつ、森林法・自然公園法と並ぶ自然環境の個別保全法として機能している。

指定区分と規制の枠組み

本法が定める地域指定は、原生自然環境保全地域、自然環境保全地域、都道府県が条例で指定する都道府県自然環境保全地域などに区分される。原生自然環境保全地域は人為の影響をほとんど受けていない区域を対象とし、立入りや行為が最も厳しく制限される。自然環境保全地域では特別地区・海域特別地区・普通地区などの区分に応じ、工作物の新築や土地形質の変更などが許可制または届出制の対象となる。2019年改正で沖合海底自然環境保全地域の制度が加わり、陸域中心だった保全対象が排他的経済水域の海底にまで広がった。

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