ジチテン

質問検査権

読み:しつもんけんさけん

意味

質問検査権とは、徴税吏員等が地方税の賦課徴収に関する調査のため、納税義務者・特別徴収義務者・支払調書提出義務者その他関係者に対して質問し、帳簿書類その他の物件を検査し、又は提示・提出を求めることができる権限をいう。

申告された所得や売上が正しいかを確かめたい、あるいは滞納者の財産状況を把握したいとき、徴税吏員は当事者に話を聞き帳簿を見せてもらう必要がある。その法的な裏付けが質問検査権で、地方税法は各税目について徴税吏員等が調査のために質問・検査・提示提出要求を行いうる旨を定める。これは任意調査を支える権限であり、相手方が正当な理由なく検査を拒否・妨害し、又は虚偽の帳簿を提示した場合等には罰則の対象となるため、相手方には事実上の受忍義務が生じる。一方で、質問検査権は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされ、滞納処分のための財産調査における捜索とは目的・手続を異にする。実務では、調査の必要性・相手方の私的利益への配慮を踏まえて社会通念上相当な範囲で行使することが求められ、反面調査もこの権限の延長として位置づけられる。

任意調査の権限としての位置づけ

質問検査権は、地方税法が各税目(個人住民税は第298条、固定資産税は第353条等)に置く調査権限で、徴税吏員等が課税標準や税額の適正な把握のために質問し、帳簿書類等を検査し、提示・提出を求めることができる。これは相手方の同意を前提とする任意調査を支える権限だが、地方税法は正当な理由のない検査拒否・妨害・忌避や虚偽記載帳簿の提示等に対する罰則を定めており、相手方には事実上の受忍義務が及ぶ。同時に、各規定はこの権限が犯罪捜査のために認められたものと解してはならない旨を明記しており、行政調査としての性格を画している。

捜索・反面調査との区別

質問検査権による調査は、税額の確認や財産の把握を目的とする行政調査であり、滞納者の財産を発見するために滞納処分の一環として住居・物件を捜す捜索(地方税法第142条等)とは、根拠規定・要件・強制力の点で異なる。捜索が滞納処分の実効性確保のための直接的・強制的な処分であるのに対し、質問検査権はあくまで質問と検査を中心とする。また、納税義務者本人だけでなく取引先・金融機関等の第三者に対して行う調査を反面調査と呼び、これも質問検査権を根拠とするが、本人調査を補完する位置づけから、必要性を踏まえて慎重に行うものとされる。

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