指定医療機関とは、生活保護法第49条に基づき、被保護者に対する医療扶助としての医療を担当させるため、厚生労働大臣または都道府県知事等が指定した病院・診療所・薬局等をいう。
生活保護のケースワーカーや医療扶助の事務担当者にとって、被保護者が受診できる医療機関は原則として指定医療機関に限られるという仕組みは、医療券・医療扶助の運用の前提である。被保護者が傷病で受診するとき、福祉事務所は原則として指定医療機関あてに医療券を発行し、当該機関が現物給付として医療を提供する。指定医療機関は生活保護法の趣旨に従って懇切丁寧に医療を担当する義務を負い、診療方針や診療報酬は国民健康保険の例によることとされる。医療費は福祉事務所から審査支払機関を経て指定医療機関へ直接支払われ、被保護者の窓口負担は原則として生じない。指定は更新制で、不正請求などがあれば指定の取消しの対象となる。同様の指定の仕組みは、自立支援医療や難病医療費助成など他の公費負担医療にも置かれている。
医療券・医療扶助との一体的な運用
生活保護の医療扶助は、被保護者が指定医療機関で医療を受け、その費用を国・自治体が負担する現物給付として運用される。受診の手順は、被保護者の申請や福祉事務所の判断を受けて医療券(または調剤券)を指定医療機関あてに発行し、当該機関が医療を提供したうえで、診療報酬明細書(レセプト)を審査支払機関に提出し、審査を経て費用が支払われるという流れをとる。指定医療機関は生活保護法第50条により、厚生労働大臣の定めに従って懇切丁寧に医療を担当する義務を負い、その診療方針および診療報酬は国民健康保険の診療方針・診療報酬の例によるとされている。指定に当たっては開設者の申請を要し、法令違反や不正があった場合には指定の取消しがなされる。同種の指定制度は更生医療・育成医療・精神通院医療を含む自立支援医療や難病医療費助成にも設けられている。
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