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指定行政機関

読み:していぎょうせいきかん

意味

指定行政機関とは、災害対策基本法第2条第3号に基づき内閣総理大臣が指定する国の行政機関であり、防災業務計画を作成し国の防災行政の中核を担う省庁等をいう。

災害が府県境を越えて広がったり原子力災害のように高度の専門性を要したりする場面では、地方自治体だけでは対応が完結せず国の各省庁が一斉に動く必要がある。指定行政機関は、こうした国レベルの防災対応の担い手をあらかじめ法的に名指しし、平時から計画を持たせ有事に動かすための区分である。

内閣府総務省国土交通省厚生労働省気象庁警察庁など、防災に関わる主要な省庁・外局が指定され、それぞれ防災業務計画を作成する。同じく内閣総理大臣が指定する公益事業者である指定公共機関と対をなし、前者が「国の行政機関」、後者が「公共的機関・公益的事業者」という主体の性質で区別される。両者はともに中央防災会議の防災体系に組み込まれ、災害時には国の災害対策本部のもとで連携して応急対策にあたる。

指定公共機関との区別と対

災害対策基本法は、国レベルで防災の責務を負う主体を二つの区分で押さえている。指定行政機関は国の行政機関すなわち中央省庁・外局であり、指定公共機関は日本銀行・日本赤十字社・NHK・電力会社・通信事業者・鉄道事業者など公共的機関や全国規模の公益的事業者である。いずれも内閣総理大臣が指定し、いずれも防災業務計画の作成義務を負う点で並ぶが、主体の性質が「行政機関か、事業者か」で分かれる。災害対応では、指定行政機関が許認可・財政・調整など行政権限を行使し、指定公共機関がライフラインの維持・復旧という現業を担うという役割分担が生じる。両者を一対で押さえることで、国の防災が「行政」と「インフラ事業者」の双方を法的に巻き込んでいる構造が見える。

災害時の体制での役割

指定行政機関の長は、防災業務計画に基づき所掌事務について防災に関する措置を講ずる責務を負う。非常災害が発生して非常災害対策本部緊急災害対策本部が置かれると、本部は関係する指定行政機関の事務を総合調整する立場に立ち、指定行政機関はその下で具体的な応急対策を実施する。例えば国土交通省はTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の派遣や直轄インフラの復旧を、厚生労働省はDMATの派遣調整や医療確保を担うといった分担が、各機関の防災業務計画にあらかじめ書き込まれている。指定行政機関の指定があることで、災害時にどの省庁が何に責任を持つかが制度的に確定し、場当たり的でない国の対応が可能になる。

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