ジチテン

私立学校法

読み:しりつがっこうほう

意味

私立学校法とは、私立学校の特性に鑑み、その自主性を重んじつつ公共性を高めることを目的として、学校法人の設立・管理・運営や所轄庁の権限を定める法律である。

国公立とは異なり民間が設置する私立学校を、誰が監督し、その経営はどう律されるのか。その枠組みを定めるのが1949年制定の私立学校法である。同法は、私立学校が建学の精神に基づく自主性をもつことを尊重しつつ、公教育の一翼を担う公共性を確保するため、設置主体を原則として学校法人に限り、その組織や財産、解散の手続を定める。私立学校に対する所轄庁の関与は、設置認可など最小限にとどめ、国公立と同じ強い監督に服させない設計がとられている。近年は学校法人の運営をめぐる不祥事が相次いだことを受け、2023年の改正でガバナンス改革が行われ、理事会・評議員会・監事の権限と相互の牽制の仕組みが大きく見直された。私立学校の認可や指導監督に携わる自治体の私学担当部局にとって、権限の根拠となる基本法である。

自主性と公共性の調和という目的

私立学校法は第1条で、私立学校の特性に鑑みその自主性を重んじ、公共性を高めることによって私立学校の健全な発達を図ることを目的に掲げる。この「自主性の尊重」と「公共性の確保」の調和が同法を貫く基本原理である。自主性の尊重として、私立学校への所轄庁の関与は設置・廃止の認可などに限定され、学校教育法上の一般的な監督権の多くが適用除外とされている。他方、公共性の確保として、設置主体を原則として学校法人に限り、その組織・財産・会計に法的な枠をはめている。所轄庁は、大学・高等専門学校を設置する法人は文部科学大臣、それ以外の私立学校を設置する法人は都道府県知事と区分される。

学校法人のガバナンスと2023年改正

私立学校法は学校法人の機関として理事・理事会・監事・評議員会を定め、それぞれの設置と権限を規律する。理事会が業務執行の最終意思決定機関であり、評議員会は予算や事業計画などについて意見を述べ、監事が業務と財産の状況を監査する。2023年の改正は、一部の学校法人で生じた運営の不正を背景に、理事と評議員の兼職禁止、評議員会による理事の選解任への関与強化、監事の権限拡充など、相互の牽制を効かせるガバナンス改革を行った。私立学校を所轄する都道府県は、認可や報告徴収、是正命令といった権限を同法に基づいて行使し、私立学校審議会の意見を聴いて判断する場面がある。

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