審査庁とは、審査請求を受けて審理し裁決を行う行政庁をいう。
処分に不服があって審査請求をするとき、その請求を受けて審理し、最終的に認容・棄却・却下の判断を下すのが審査庁である。誰が審査庁になるかは処分庁の位置で決まり、処分庁に上級行政庁があればその最上級行政庁が、なければ処分庁自身が審査庁となる。市区町村長の処分は上級行政庁を持たないため、長が処分庁であると同時に審査庁にもなり、自らした処分を自ら審査するかたちになる。この自己審査の中立性を担保するため、行政不服審査法は処分に関与しない職員を審理員に指名させ、審理員意見書を経たうえで、原則として第三者機関である行政不服審査会への諮問を求めている。審査庁は審理員意見書や審査会の答申を踏まえ、自らの名で裁決をする最終的な責任主体である。
誰が審査庁になるか
審査庁は、処分庁に上級行政庁があるかどうかで決まる。上級行政庁があるときは原則としてその最上級行政庁が審査庁となり(国の出先機関の処分なら所管大臣など)、上級行政庁がないときは処分庁自身が審査庁となる。市区町村長や知事、各大臣のように独任で頂点に立つ機関の処分は上級行政庁を持たないため、その機関が処分庁かつ審査庁を兼ねる。法律に特別の定めがある場合は、行政委員会など第三者的な機関が審査庁とされることもある。審査庁の確定は、審査請求書の提出先と、審理員指名や行政不服審査会への諮問が必要かどうかを左右する出発点になる。
審理員・行政不服審査会との役割分担
処分庁自身が審査庁となる場合、自らした処分を自ら審査する構図になるため、行政不服審査法は審理の公正を保つ二段の仕組みを置いている。第一に、審査庁は処分に関与していない職員を審理員に指名し、審理員が請求人と処分庁双方の主張を整理して審理員意見書を作成する。第二に、審査庁は裁決に先立ち、原則として有識者からなる行政不服審査会へ諮問し、その答申を尊重して裁決する。これらの手続を経たうえで、最終的に裁決という処分を自らの名で行う責任は審査庁にあり、審理員や審査会の判断はあくまで審査庁の裁決を準備するためのものである。
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