市民農園整備促進法とは、休憩施設や農機具収納施設などを備えた市民農園を計画的に整備するため、市町村による区域指定と整備運営計画の認定の手続を定めた法律をいう。
都市住民に小区画の農地を貸し出す市民農園を、付帯施設まで備えた本格的な形で整えたいとき、どの手続で開設するのか。市民農園整備促進法は、市町村が市民農園区域を指定し、開設者が作成する整備運営計画を市町村が認定する筋道を定める。区域指定により、本来は農地転用や開発が制限される土地でも、休憩施設・農機具収納施設・駐車場といった市民農園施設を伴う農園を整備できる。同じく市民農園を開設できる特定農地貸付法が施設を前提としない簡便な区画貸付であるのに対し、本法は施設整備を組み込む分だけ手続が重く、腰を据えた農園に向く。開設者となりうるのは地方公共団体、農業協同組合、農地所有者などで、利用相談の窓口は二つの根拠法の違いを踏まえて案内する必要がある。
区域指定と整備運営計画の二段階
市民農園整備促進法による開設は、市町村が市民農園区域を指定する段階と、開設者の整備運営計画を市町村が認定する段階の二つで構成される。市民農園区域は、農用地区域内の農地などを対象に、市民農園の整備を計画的に進めるべき区域として市町村が定める。区域内では、開設者が農地の利用方法、市民農園施設の規模、貸付けの条件などを盛り込んだ整備運営計画を作成し、市町村の認定を受けて初めて開設できる。認定を受けると、施設の設置に伴う農地転用や開発行為の許可が認定で代替されるなどの手続上の特例が働き、農地に休憩施設や農機具収納施設を備えた農園を整える道が開ける。
特定農地貸付法との使い分け
市民農園を開設する根拠法には本法のほかに特定農地貸付法があり、両者は施設の有無と手続の重さで性格が分かれる。市民農園整備促進法は休憩施設・農機具収納施設・駐車場などの市民農園施設を伴う農園を区域指定のもとで整える筋道で、設備の整った農園になりやすい一方、区域指定と計画認定の手続を要する。特定農地貸付法は施設整備を前提とせず、貸付けの承認だけで開設できる簡便な筋道である。いずれも農地法が課す農地の権利移動の制限を非営利の小区画利用に限って緩める特例として機能する点は共通し、目的とする農園の規模や設備に応じて使い分ける。
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