資金前渡職員とは、債権者や金額が確定する前に概括的に資金の交付を受け、交付の目的に従って自らの責任で現金支払を行う職員をいう。
旅費の前払いや小口の現金払いを、いちいち支出命令を経て会計管理者の窓口で払うのは現実的か。出張先での支払いや少額の経費のように、相手方や金額が事前に確定せず、現場で即座に現金が要る場面では通常の支出手続が間に合わない。そこで一定額の資金をあらかじめ職員に交付し、その職員が交付目的の範囲内で支払う仕組みが資金前渡であり、交付を受けた職員を資金前渡職員という。資金前渡職員は交付された資金を自己の保管する公金として管理し、支払いの相手方・金額・使途を自らの判断と責任で決めて執行する。支払い後は領収書等の証拠書類をそろえ、残額があれば返納して精算する義務を負う。手元に公金を保管し独立して支払うという点で通常の支出事務とは責任の重さが異なり、保管中の現金亡失や目的外支出は弁償責任に直結する。
資金前渡職員の責任と精算
資金前渡職員は、交付を受けた資金を善良な管理者の注意をもって保管し、交付の目的の範囲内でのみ支払う義務を負う。通常の支出が会計管理者の審査を経て確定した債権者へ払うのに対し、資金前渡では支払いの相手方・金額・時期の判断が職員自身に委ねられるため、責任の所在が明確である。支払いを終えたら領収書その他の証拠書類を整え、支出の内訳を示して精算を行い、残額が生じた場合は速やかに返納する。保管中の現金を亡失したとき、または交付の目的に反する支出をしたときは、その職員が損害を弁償する責任を負いうる。資金前渡が認められる経費は法令・規則で限定されており、旅費、運賃、外国で支払う経費、災害時の応急的支出など、性質上前渡によらなければ事務に支障を生じるものに限られる。これにより手元現金の滞留を抑え、公金管理のリスクを最小化している。
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