ジチテン

資格決定

読み:しかくけってい

別名:資格争訟別名:議員の資格決定
意味

資格決定とは、議員が被選挙権を有するか、又は兼業禁止の規定に該当しないかについて疑いが生じたとき、議会が議決によって当該議員の議席の有無を決める手続をいう。

議員に当選後の被選挙権喪失や請負関係の発生といった疑義が生じたとき、誰がその身分を判断するのか。資格決定は、地方自治法第127条第1項に基づき、議会自身がこの判断を担う仕組みである。対象となるのは、議員が被選挙権を有するかどうか、及び同法第92条の2の兼業禁止(請負禁止)に該当するかどうかの2点に限られ、議員間の政治的な対立を理由に議席を奪う手段としては使えない。決定は議員から請求があったとき、又は議長が必要と認めたときに議会へ付議され、議席を失わせる議決には出席議員の3分の2以上の同意という特別多数決が要る。除名(同法第135条第3項)と並ぶ重い議決であり、対象議員にも弁明の機会が保障される。決定に不服がある議員は、出訴して司法判断を求めることができる。

対象は被選挙権と兼業禁止の2類型に限られる

資格決定が扱えるのは、地方自治法第127条第1項が定める二つの事由に限られる。第一は議員が被選挙権を有しないこと、すなわち年齢・住所要件の欠落や公民権停止により当選時又は在任中に被選挙権を失った場合である。第二は同法第92条の2が定める兼業禁止に該当すること、具体的には当該団体に対し請負をする者やその支配人等となった場合である。これら以外の事由、たとえば政治的立場や議会運営上の対立を理由に議席を失わせることはできず、その種の制裁は懲罰(同法第134条以下)の枠組みで扱われる。資格決定はあくまで議員たる資格の客観的要件の有無を確認する手続であり、多数派による恣意的な議席剥奪を防ぐためにこの限定が置かれている。

特別多数決と司法救済による二重の歯止め

議席を失わせる資格決定の議決には、出席議員の3分の2以上という特別多数決が要求される(地方自治法第127条第1項)。これは過半数で足りる通常の議決より重く、議員の除名や事務所の位置を定める条例の制定と同じ加重要件であり、身分の得喪に関わる判断の慎重さを担保している。さらに資格決定に不服のある議員は、出訴して効力を争うことができる。議会の自律的判断を一次的に尊重しつつ、最終的には司法審査に委ねる構造であり、議会の議決が議員の身分を確定的に奪うわけではない。特別多数決という議会内の歯止めと、出訴という議会外の救済の二段構えで、資格決定の濫用を抑える設計になっている。

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