私法とは、私人相互の対等な関係を規律する法分野の総称をいい、民法・商法などがこれにあたる。
自治体が物品を購入したり工事を発注したりするとき、その契約をめぐる争いは民事訴訟で扱われる。これは、対等な当事者として結ぶ契約には私法が適用されるためである。私法は、個人や法人が互いに対等な立場で取り結ぶ権利義務関係を規律する法分野で、民法・商法・会社法などを含み、公権力の主体がかかわる関係を扱う公法と対をなす。私法の基本原則は、当事者が自由な意思で法律関係を形成できるとする私的自治の原則であり、契約自由・所有権の絶対・過失責任が古典的な柱とされる。地方公共団体も、私人と対等な立場で契約を結び財産を取得・処分する場面では私法の主体として行動し、民法の規定に従う。ただし、自治体が当事者となる私法関係には、地方自治法による契約方法・財産管理の特則が重ねて適用される点に注意がいる。担当者は、扱う事務が公権力の行使を伴うのか、対等な取引なのかを見極めて適用法を判断する必要がある。
私法の基本原則と自治体への適用
私法は私人相互の対等な法律関係を規律する分野で、民法を一般法とし、商行為を扱う商法などの特別法がこれを補う。基本にあるのは私的自治の原則で、当事者は国家の干渉を受けず自由な意思で契約を結び権利義務を形成できる。契約自由の原則・所有権絶対の原則・過失責任の原則が近代私法の三大原則とされる。地方公共団体も、物品の購入・工事の請負・財産の貸付けなど私人と対等な立場で行う取引では私法の主体となり、契約の成立・履行・債務不履行の効果は民法の規律に従う。公権力を背景に一方的に権利義務を変動させる公法上の行為(行政処分など)とは、適用される法も争訟の方法も異なる。
自治体の私法関係に重なる地方自治法の特則
自治体が私法上の取引を行う場合でも、民法がそのまま全面的に適用されるわけではなく、地方自治法による公的主体としての特則が重ねて及ぶ。契約の締結方法について一般競争入札を原則とする定め、財産を適正な対価なく譲渡・貸付けすることを制限する定め、公金の支出に求められる手続などがその例で、私人どうしの取引にはない規律が課される。また、私法上の金銭債権であっても自治体が当事者となるものには地方自治法上の時効や債権管理の規定が及ぶ場面がある。したがって自治体の私法関係は「民法+地方自治法の特則」という二層構造で理解する必要があり、担当者は民法の原則に立ち返りつつ自治法の制約を確認することになる。
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