社会手当とは、社会保険のような事前の保険料拠出を要件とせず、また公的扶助のような資力調査も要件とせずに、一定の要件に該当する者へ公費で現金を給付する社会保障の一部門である。
児童手当や児童扶養手当、特別障害者手当を窓口で扱っていると、これらが保険料も資力調査も前提としない独特の給付であることに気づく。この一群を社会保障の体系のなかで位置づける概念が社会手当である。社会保障は、保険料の拠出を給付の前提とする社会保険、資力調査を経て最低生活を保障する公的扶助、そしてその中間に立つ社会手当の3部門に整理される。社会手当は、保険料の拠出歴を問わない点で社会保険と異なり、厳格な資力調査を課さない点で公的扶助と異なる。多くは扶養する児童の有無や障害の状態といった定型的な受給要件で支給の可否が決まり、所得制限はあっても生活保護のような資産調査までは行わない。児童手当・児童扶養手当・特別児童扶養手当・障害児福祉手当・特別障害者手当などが代表例で、その多くは市区町村が支給事務を担うため、社会手当という枠組みを押さえると個別の手当を制度横断で理解しやすくなる。
社会保障の3部門のなかでの位置づけ
社会保障は、給付の財源と受給の要件に着目すると、社会保険・公的扶助・社会手当の3部門に大別される。社会保険は被保険者があらかじめ保険料を拠出することを給付の前提とし、防貧を主目的とする。公的扶助は資力調査を経て、自力で最低生活を維持できない者に公費で事後的に最低限度の生活を保障する救貧の仕組みである。社会手当はその中間に位置し、保険料の拠出を要件とせず、かつ資力調査も課さずに、一定の定型的要件に該当する者へ公費で現金を給付する。所得制限が付くものは多いが、これは生活保護のような資産・稼働能力までを精査する資力調査とは性格が異なり、給付の可否を簡便に判定するための要件にとどまる。
代表的な社会手当と支給事務
社会手当に分類される主な給付として、養育する児童に着目した児童手当、ひとり親世帯等を対象とする児童扶養手当、障害のある児童を養育する者への特別児童扶養手当、重度障害児への障害児福祉手当、在宅の重度障害者への特別障害者手当などがある。これらの多くは国の法律に基づく全国一律の制度で、財源は国と地方が分担し、支給事務は市区町村が担う(公務員分など一部は勤務先や別主体が扱う)。受給には扶養する児童の年齢や人数、障害の程度といった定型的な要件と所得制限が設定され、申請に基づいて支給される。社会手当という共通の枠組みで捉えると、各手当が保険でも扶助でもない第3の給付であること、申請主義・所得制限・現金給付という共通の運用上の特徴を持つことが見通せる。
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