社会保障とは、傷病・老齢・失業・障害・貧困など生活上の困難に対し、国及び地方公共団体が保険・給付・サービスによって国民の生活を保障する仕組みの総称である。
自治体の福祉・保健・国保・年金窓口が扱う制度は、それぞれ別の法律に基づきながら「社会保障」という一つの体系の部門として位置づけられる。職員にとって重要なのは、目の前の介護保険・生活保護・児童手当が体系のどこに属し、なぜ給付の財源や要件の設計思想が異なるのかを理解することである。社会保障は通説上、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4部門に分けて整理される。憲法25条の生存権を具体化する制度群であり、財源は社会保険料と公費(税)の組み合わせで賄われる。どの部門に属するかによって、保険料拠出を要件とするか、資力調査を伴うか、サービス給付か現金給付かといった制度の骨格が決まる。
社会保障の4部門
社会保障は通説上、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4部門に区分される。社会保険は被保険者があらかじめ保険料を拠出し、保険事故(傷病・老齢・失業等)が生じたときに給付を受ける防貧の仕組みで、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険がこれにあたる。公的扶助は資力調査を経て最低生活を保障する救貧の仕組みで、生活保護がその中核である。社会福祉は障害者・児童・高齢者など支援を要する者へのサービス給付、公衆衛生は感染症対策や母子保健など集団の健康を守る施策を担う。拠出を要件とするか否か、対象を限定するか否かで部門の性格が分かれる。
財源と給付の設計思想
社会保障の財源は、被保険者・事業主が拠出する社会保険料と、国・地方の公費(税)の2系統からなる。社会保険部門は保険料を主財源としつつ国庫負担を組み合わせ、公的扶助・社会福祉・公衆衛生は公費を主財源とする。給付には金銭を支給する現金給付(年金・各種手当・生活扶助)と、医療・介護・保育などの現物給付(サービス給付)がある。自治体は国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の保険者として、また生活保護・障害福祉・児童福祉の実施機関として、これら複数部門の窓口を同時に担う。制度ごとに財源構成と国・都道府県・市町村の費用負担割合が法定されている点が、予算・会計実務上の要点となる。
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