社会保険診療報酬支払基金とは、社会保険診療報酬支払基金法(昭和23年法律第129号)に基づき、医療機関から提出される診療報酬請求(レセプト)の審査と保険者への支払仲介を行う特別民間法人である。
医療機関が保険診療の費用を保険者に請求する際、その請求内容(レセプト)が診療報酬のルールに沿っているかを審査し、保険者に代わって医療機関へ支払うのが社会保険診療報酬支払基金である。主に被用者保険(健康保険組合・協会けんぽ・共済組合など)を対象とし、国民健康保険を扱う国民健康保険団体連合会と役割を分け合う。自治体にとっては、後期高齢者医療の保険者である広域連合や、共済組合の事務で関わるほか、保険者間で費用を調整する各種交付金の収納・交付事務を担う点で接点が生じる。近年は前期高齢者納付金や後期高齢者支援金など、保険者間の財政調整に関わる資金の流れの結節点としての機能が大きくなっている。
レセプト審査と支払仲介の仕組み
被用者保険の被保険者が保険医療機関で診療を受けると、医療機関は窓口負担を除いた費用を保険者に請求する。この請求は診療報酬明細書(レセプト)として支払基金に提出され、基金が診療報酬点数表や療養担当規則に照らして請求内容を審査する。過誤や算定誤りがあれば査定して請求額を補正し、確定額を保険者から受け取って医療機関へ支払う。保険者にとっては、個々のレセプトを自前で審査する負担を負わずに済み、医療機関にとっては多数の保険者へ個別に請求する手間を省ける。審査の電子化が進み、コンピュータチェックと審査委員会による審査を組み合わせて大量のレセプトを処理している。
保険者間の財政調整における結節点
支払基金は単なる審査支払機関にとどまらず、医療保険制度全体の財政調整を担う資金の通り道でもある。現役世代の保険者が拠出する後期高齢者支援金や前期高齢者納付金を集め、後期高齢者医療や前期高齢者を多く抱える保険者へ交付する事務を担っている。これらの納付金・支援金は各保険者の財政に直結するため、自治体が運営に関わる後期高齢者医療広域連合や共済組合の事務担当は、基金が示す概算・確定の額を踏まえて予算を組む。国民健康保険を対象とする国民健康保険団体連合会とは対象保険が異なり、両者で被用者保険と地域保険の審査支払を分担している。
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