ジチテン

世帯単位の原則

読み:せたいたんいのげんそく

意味

世帯単位の原則とは、生活保護法第10条に定める原則で、保護の要否および程度を個人ではなく世帯を単位として判定するとする原則をいう。

同居する家族の一人だけを生活保護にできるのか、という相談に対する制度の答えが世帯単位の原則である。生活保護法第10条は、生計を同じくする世帯全体の収入と最低生活費を比較し、世帯としての不足分を保護費とする建前をとる。生計が一体である以上、世帯員それぞれの困窮を切り離して判定するのは実態に合わないためである。ただし同条但書は、これによりがたいときは個人を単位とできると定め、世帯分離という運用を認める。たとえば世帯員の一人が大学に進学した場合や、長期入院・施設入所で生計が事実上分かれた場合に、その者を保護世帯から外す(または別世帯として扱う)処理がこれにあたる。世帯認定を誤ると保護費の過支給や過少支給に直結するため、誰を同一世帯とみなすかは保護の実務で最も慎重を要する判断の一つである。

世帯認定と世帯分離

世帯単位の原則の運用上の核心は、誰を同一世帯とみなすかという世帯認定にある。生活保護でいう世帯は住民票上の世帯とは必ずしも一致せず、同一の住居に居住し生計を一にしているかという実態で判断する。実態判断であるため、同居していても生計が別であれば別世帯、別居していても仕送り等で生計が一体なら同一世帯とされうる。第10条但書に基づく世帯分離は、世帯員の一人を保護世帯から切り離す例外処理で、大学等への進学者、長期入院・施設入所により生計が分離した者、出身世帯員の自立を阻害しない場合などに適用される。世帯分離は保護の要否と程度を大きく変えるため、安易な運用は補足性の潜脱や不正受給につながり、逆に硬直的な運用は必要な保護を妨げる。

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