先端設備等導入計画とは、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業者が労働生産性の向上を図るため一定期間内に取得する先端設備等の導入内容を定め、市町村の認定を受ける計画である。
新たな機械装置を導入したい中小企業が、その設備にかかる固定資産税の負担をどう軽くできるかを考えるとき、入口になるのがこの計画である。中小企業等経営強化法に基づき、市町村があらかじめ国の同意を得て「導入促進基本計画」を定めた区域で、その区域内の中小企業者が労働生産性を年平均3パーセント以上向上させる設備投資の内容を計画にまとめ、市町村長の認定を受ける。認定を受けると、計画に従って取得した機械装置・工具・器具備品・建物附属設備などの先端設備等について、固定資産税の課税標準が一定期間軽減される(市町村の条例で定める割合まで引き下げられ、賃上げ表明を伴う場合は軽減期間が延びる)。計画には認定経営革新等支援機関の事前確認を受けた投資計画を添付する必要があり、生産性向上の見込みを外部の専門機関が裏付ける建付けである。同じ中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画が経営全般の向上を対象とするのに対し、本計画は設備投資による生産性向上に対象を絞り、税の特例という具体的な恩典に直結する点が実務上の特徴である。
固定資産税の特例と賃上げによる上乗せ
認定の最大の効果は、計画に従って取得した先端設備等にかかる固定資産税の課税標準が軽減される点にある。軽減の割合と期間は市町村の条例に委ねられており、課税標準を価格の2分の1から最大でゼロまで引き下げる例があるなど、自治体ごとに恩典の手厚さが異なる。さらに、計画に従業員への賃上げ方針を表明して盛り込んだ場合には、軽減を受けられる期間が延長される仕組みが設けられている。中小企業者にとっては設備投資の初期負担を直接軽くする制度であり、自治体にとっては導入促進基本計画でどの業種・どの設備を後押しするかを設計し、地域の産業政策と税の特例を結び付ける手段となる。申請時には取得予定の設備の種類・取得時期・生産性向上の見込みを具体的に記載し、認定経営革新等支援機関の確認を経た投資計画を添える。
導入促進基本計画と認定の前提
本計画の認定は、市町村が国の同意を得て「導入促進基本計画」をあらかじめ策定していることが前提となる。導入促進基本計画には、対象とする地域・業種・先端設備等の種類や、労働生産性に関する目標が定められ、その枠組みに沿った個別の先端設備等導入計画でなければ市町村は認定できない。したがって、ある中小企業が税の特例を受けられるかどうかは、立地する市町村が導入促進基本計画を定めているか、そこで対象とされた業種・設備に該当するかに左右される。自治体の産業振興担当にとっては、導入促進基本計画の対象設定が地域内の設備投資をどこへ誘導するかを決める政策判断となり、商工団体や金融機関と連携して制度の周知と申請支援を行うことが運用の要点となる。
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