選挙運動費用収支報告書とは、公職選挙法第189条に基づき、出納責任者が選挙運動に関する収入・支出・寄附の明細を記載して選挙管理委員会に提出する報告書である。選挙の期日後一定期間内の提出が義務付けられている。
選挙運動に使われた金がどこから入りいくら出たかを公開しなければ、買収や上限超過の支出を外から検証できず、選挙の公正が担保できない。選挙運動費用収支報告書は、候補者ごとに置かれる出納責任者が、寄附・その他の収入、人件費・家屋費・通信費・印刷費などの支出、領収書等の証拠書類を整理して選挙管理委員会に提出する書面である。提出期限は選挙期日から原則15日以内で、報告書は一定期間公開され、誰でも閲覧できる。記載漏れや虚偽記載、提出遅延には罰則があり、出納責任者が連座制の対象として失職や立候補制限に直結する事案もある。実務では支出のたびに領収書を徴し、費目ごとに集計して法定選挙費用の上限内に収まっているかを並行して管理する。
出納責任者による作成と提出義務
選挙運動費用収支報告書は、候補者本人ではなく出納責任者が作成・提出する点に特徴がある。出納責任者は選挙運動に関する一切の収入・支出を管理する責任者で、寄附を受けた場合の金額・年月日・寄附者、支出の費目・金額・支払先を帳簿に記録し、これを報告書にまとめる。報告書には領収書その他の支出を証すべき書面を添付し、徴し難い事情があるときはその旨の書面を添える。提出先は当該選挙の選挙管理委員会で、提出期限は選挙期日から原則15日以内である。提出後の報告書は要旨が公表され、保存期間中は誰でも閲覧でき、選挙運動費用の透明性を制度的に担保する。
法定選挙費用の上限管理との関係と罰則
選挙運動費用収支報告書は、別に定められる法定選挙費用(選挙運動費用の支出上限額)を超えていないかを事後に検証する基礎資料となる。支出総額が上限を超えれば公職選挙法違反となり、出納責任者は罰則の対象となる。報告書の不提出・虚偽記載・期限後提出も処罰の対象で、出納責任者が買収等で刑に処せられた場合には連座制により候補者の当選が無効となり、同一選挙区での立候補が一定期間制限されることがある。このため実務では、支出の都度に領収書を徴し、費目別の集計を随時更新して上限超過を未然に防ぐ運用が定着している。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)