ジチテン

選挙犯罪

読み:せんきょはんざい

意味

選挙犯罪とは、公職選挙法その他の法律が選挙の公正を害する行為として処罰の対象に定める犯罪の総称をいう。

選挙の公正をどう担保するかという問いに対し、公職選挙法は禁止行為を定めるだけでなく、その違反に刑罰を科す。これらが選挙犯罪である。代表的なものに、金銭・物品を供与して投票や選挙運動を依頼する買収罪、飲食の提供による供応、戸別訪問の禁止違反、事前運動の禁止違反、虚偽事項の公表などがある。選挙犯罪で刑に処せられた者は、一定期間にわたり選挙権被選挙権が停止される(公民権停止)。また候補者本人でなくとも、選挙運動の総括主宰者や出納責任者など一定の関係者が買収などの選挙犯罪で有罪となったときは、候補者本人の当選が無効となり立候補も制限される連座制が適用される場合がある。選挙犯罪は、選挙の効力を争う選挙争訟当選争訟とは別に、刑事手続によって処理される点が特徴である。

主な選挙犯罪の類型

選挙犯罪の中核は買収罪である。公職選挙法221条以下は、投票や選挙運動を依頼して金銭・物品その他の財産上の利益を供与・約束する行為、これを受ける行為、供応接待を、いずれも犯罪として定める。このほか、戸別訪問の禁止(138条)違反、選挙運動期間前に選挙運動を行う事前運動の禁止違反、候補者の経歴などについて虚偽の事項を公表する虚偽事項公表罪、投票の自由を妨げる投票干渉、選挙人名簿の不正登録などが選挙犯罪に含まれる。これらは選挙の公正と有権者の自由な意思形成を守るために、行為の禁止と刑罰をセットで定めたものである。

当選無効・公民権停止・連座制との結びつき

選挙犯罪は処罰だけで完結せず、選挙の結果や政治活動への参加資格に波及する。第一に、選挙犯罪で刑に処せられた者は、その種類・刑期に応じて一定期間、選挙権および被選挙権が停止される(公民権停止。公職選挙法252条)。第二に、候補者の選挙運動の総括主宰者・出納責任者・地域主宰者などが買収などの罪を犯して刑が確定すると、候補者本人に故意・過失がなくとも当選が無効となり、同じ選挙区での立候補が一定期間制限される連座制が適用される。これにより、候補者は自らの陣営の選挙犯罪についても重い結果を負う仕組みになっている。

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