成績主義(メリットシステム)とは、職員の任用を受験成績・人事評価その他の能力の実証に基づいて行うべきとする、地方公務員法第15条が定める任用の根本基準である。情実や政治的関係による任用を排する点で、猟官制(スポイルズシステム)と対をなす。
採用や昇任を縁故や首長との関係で決めれば、行政は私物化され住民の信頼を失う。成績主義は、誰を職に就けるかの判断を本人の能力と実績だけに縛ることでこれを防ぐ。地方公務員法第15条は任用を「受験成績、人事評価その他の能力の実証に基づいて行わなければならない」と定め、採用試験・選考の客観性、昇任における人事評価の活用がこの原則の具体化として位置づけられる。同法第13条の平等取扱の原則が「誰を差別してはならないか」という入口の公平を担うのに対し、成績主義は「何を基準に選ぶか」という選抜の中身を規律する。実務では、特定の職員を恣意的に昇任させたり、評価結果を反映しない人事を行ったりすると、この原則違反が問われうるため、任用基準の透明化と記録化が論点となる場面で繰り返し参照される。
猟官制への反省として生まれた原則
成績主義は、公職を選挙の戦利品として配分する猟官制(スポイルズシステム)への反省から確立された人事原則である。猟官制のもとでは政権交代のたびに大量の官職が入れ替わり、行政の専門性と継続性が損なわれ、汚職の温床ともなった。これに対し、任用の基準を本人の能力の実証に限定し、政治的中立性と行政の安定を確保しようとするのが成績主義(メリットシステム)である。日本では国家公務員法・地方公務員法がいずれもこの原則を採用し、地方公務員法では第15条が任用の根本基準として明文化している。職員の身分保障(分限制度)や政治的行為の制限と一体となって、政治から独立した職業公務員制を支える基盤となっている。
能力の実証をどう担保するか
第15条が求める「能力の実証」は、採用では競争試験または選考、昇任以降では人事評価という具体的な制度に落とし込まれる。競争試験は多数の受験者の成績を客観的方法で比較するもので、選考は職務経歴や面接など競争試験以外の能力実証の方法をいう(地方公務員法第17条の2)。2014年(平成26年)の法改正で、任用・給与・分限の基礎として人事評価を活用することが明確化され(第23条の2)、昇任を年功序列でなく能力・業績に基づいて判断する仕組みが強化された。評価結果を反映しない恣意的な人事は成績主義に反するおそれがあるため、評価の納得性と記録化が運用上の焦点となる。
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