政策的経費とは、人件費・扶助費・公債費といった支出が義務づけられた経費を除いた、首長の政策判断によって計上・増減できる裁量的な経費をいう。
新規事業を起こせるか、それとも既定経費の支払いで予算が埋まってしまうのか——予算編成で財政課が見るのが、義務的経費を払った後にどれだけ政策的経費へ回す一般財源が残るかである。政策的経費は、法令や契約で支出が義務づけられた義務的経費と対をなす概念で、投資的経費や単独の補助事業など、その年度の政策方針を反映して配分先を選べる支出を指す。義務的経費の割合が高まると政策的経費に振り向ける余地が狭まり、これが財政の硬直化として経常収支比率に表れる。首長選挙のある年度には、政策的経費を除いた骨格予算を当初予算として組み、新首長の方針を反映する肉付け予算を後の補正予算で計上する運用が一般的である。新規施策の財源を確保するには、既存事業の見直しによって政策的経費の枠そのものを生み出すことが要点となる。
骨格予算と肉付け予算での扱い
政策的経費という区分が実務で最も意識されるのは、首長や議会の改選期の予算編成である。改選を控えた年度の当初予算では、新たな政策判断を伴う政策的経費を計上せず、人件費・扶助費・公債費や継続事業など支出が確定している義務的経費・経常的経費だけで組む「骨格予算」とするのが慣行である。これは、退任する首長が新首長や新議会の政策判断を縛らないための配慮であり、選挙後に成立した執行部が改めて政策的経費を盛り込む「肉付け予算」を6月補正予算等として編成する。骨格予算と肉付け予算の境目はおおむね政策的経費の有無で引かれるが、災害復旧や時期を逸せない事業のように政策判断を伴っても当初に計上せざるを得ないものもあり、何を骨格に含めるかは各団体の判断による。財政課は当初予算の段階で政策的経費の見込み枠を確保し、補正での肉付け規模を見通しておく。
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