生活困窮者とは、生活困窮者自立支援法において、就労の状況・心身の状況・地域社会との関係性その他の事情により現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう。
生活保護を受けるほどではないが、家計が苦しく将来困窮しかねない人をどう支えるか。この生活保護に至る前の段階の人を捉える概念が生活困窮者である。生活困窮者自立支援法第3条は、生活困窮者を、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者と定義する。所得や資産の額で一律に線を引くのではなく、本人の置かれた状況を幅広く捉える点に特徴がある。失業や病気、多重債務、ひきこもり、社会的孤立など複合的な課題を抱える人が含まれ、市区町村(福祉事務所設置自治体)は自立相談支援事業の窓口で相談を受け、本人の状況に応じた支援につなぐ。
定義の特徴と「制度の狭間」
生活困窮者の定義(法第3条第1項)は、所得や資産という客観的な金額基準で対象を画さず、就労・心身・地域社会との関係といった事情を総合して「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある者」と捉える点に最大の特徴がある。これは、生活保護のような明確な要否判定をあえて設けず、複合的な課題や社会的孤立を抱え既存の制度の対象から漏れていた人(いわゆる制度の狭間)を幅広く受け止める趣旨による。経済的困窮を入口としつつ、その背景にあるひきこもり・債務・疾病・家族問題などにも目を向ける包括的な支援の対象概念である。
生活保護受給者・要保護者との関係
生活困窮者自立支援法は、生活保護に至る前の段階での自立支援を目的とするため、原則として現に生活保護を受給している者は本法の生活困窮者には含まれない(生活保護制度の中で自立支援が行われる)。一方、保護廃止に至った者や、申請したが保護に至らなかった者は生活困窮者として本法の支援対象となりうる。生活困窮者と、生活保護の対象である要保護者・被保護者は連続したグラデーションの上にあり、両制度が切れ目なく接続する必要があるとされる。自治体の窓口では、相談者の状況に応じて生活保護の申請か生活困窮者自立支援かを振り分ける運用が要る。
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