生活排水とは、人の日常生活に伴って排出される水で、し尿を含む汚水と、台所・洗濯・風呂等から出る生活雑排水とを併せたものをいう(水質汚濁防止法第2条第9項)。
河川や湖沼の汚れの多くが家庭から出る水に由来するという事実は、水環境部局が施策の優先順位を考える出発点になる。生活排水とは、人の日常生活に伴って排出される水の総称で、し尿(トイレからの汚水)と、台所・風呂・洗濯などから出る生活雑排水の二つから成る。かつて主流だった単独処理浄化槽はし尿しか処理せず生活雑排水を未処理のまま放流したため、閉鎖性水域の有機汚濁の主因となった。この反省から水質汚濁防止法は生活排水対策を制度化し、市町村は生活排水対策推進計画の策定や住民への啓発に努めることとされる。実際の処理は、市街地では公共下水道、農山村では農業集落排水施設、個別世帯では合併処理浄化槽が担い、市町村は汚水処理構想によりこれらを区域ごとに最も効率的な方式へ充て分ける。BODやCODといった水質指標の改善には、工場排水規制だけでなく、面的に広がる生活排水の処理率向上が不可欠である。
法令上の定義と生活雑排水の問題
生活排水は、水質汚濁防止法第2条第9項で「炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共用水域に排出される水(同条第6項に規定する排出水を除く。)」と定義され、し尿を含む汚水と生活雑排水の双方を包含する。閉鎖性水域である湖沼・内湾の有機汚濁では、工場・事業場排水よりも生活排水の寄与が大きい場合が多い。とりわけ問題とされたのが、し尿のみを処理し台所・風呂等の生活雑排水を未処理放流する単独処理浄化槽(みなし浄化槽)である。1人当たりのBOD排出負荷で見ると、し尿由来よりも生活雑排水由来の方が大きく、単独処理浄化槽では生活排水全体の半分以下しか除去できない。このため2001年以降は浄化槽法により新設が原則禁止され、汚水と雑排水を一括処理する合併処理浄化槽への転換が進められている。
市町村の生活排水対策と処理方式の選択
水質汚濁防止法は、生活排水対策の実施を国・地方公共団体・国民の責務と位置づけ、都道府県知事が指定した生活排水対策重点地域では、市町村が生活排水対策推進計画を定めて啓発・施設整備を推進する(同法第14条の5以下)。生活排水を実際に処理する集合・個別の施設は、市街地の公共下水道、農山村集落の農業集落排水施設、世帯単位の合併処理浄化槽に大別され、市町村は汚水処理構想(都道府県構想)に基づき、人口密度・地形・整備費用を勘案して区域ごとに最適な方式を充て分ける。下水道整備には長い年月と多額の費用を要するため、整備の見込みが立ちにくい区域では合併処理浄化槽の設置補助により早期に処理率を引き上げる手法が併用される。
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