政治活動とは、政治上の主義・施策の推進や公職の候補者の推薦などを目的とする一切の活動のうち、特定の候補者への投票を勧誘する選挙運動にわたらない行為をいう。
政治活動と選挙運動の線引きは、選挙の現場で最も判断に迷う論点の一つである。公職選挙法は選挙運動を期間・方法・費用の面で厳しく規制する一方、政治活動そのものは表現の自由として原則自由としており、両者の区別が規制の及ぶ範囲を決めるからである。実務上は、特定の選挙で特定の候補者の当選を図る目的が認められれば選挙運動、政党や政治団体が日常的に行う主義・施策の宣伝にとどまれば政治活動と整理される。選挙運動が認められるのは公示・告示日から投票日前日までの選挙運動期間に限られるため、その前に行う候補者の売り込みは事前運動として禁止されるが、外形が同じ街頭演説やビラ配布でも政治活動の範囲にとどまれば期間外でも行える。さらに公職選挙法は選挙期間中の政治活動を確認団体に限って一定範囲で認めるなど、選挙運動への潜脱を防ぐ規律を置いている。この境界の認定は最終的に活動の目的・態様を総合して判断され、画一的な基準では割り切れない。
選挙運動との区別が規制の前提になる
公職選挙法は「選挙運動」を定義せず、判例・実務は「特定の選挙において、特定の候補者の当選を目的として、投票を得または得させるために直接または間接に有利な行為をすること」と解している。政治活動はこの選挙運動にわたらない政治上の活動を指し、両者は同一の行為が同時に両方へ該当することはない相互排他の関係に立つ。区別の実益は、選挙運動が選挙運動期間(公示・告示日から投票日前日まで)に限って許され、かつ文書図画・費用・主体に厳しい制限を受けるのに対し、政治活動は原則として期間の制約なく自由に行える点にある。したがって候補者の名を挙げた街頭演説やビラ配布が、当選目的の選挙運動か日常の政治活動かの認定が、適法・違法を分ける核心になる。
選挙期間中の政治活動規制と確認団体
政治活動が原則自由であるといっても、選挙期間中は選挙運動への潜脱を防ぐため政党・政治団体の政治活動に特別の制限が置かれる。公職選挙法は、一定の要件を満たして選挙管理委員会の確認を受けた政治団体(確認団体)に限り、ポスター・立札・看板・ビラ・政談演説会など特定の方法による政治活動を一定数量の範囲で認め、確認団体以外の団体の選挙期間中の政治活動を制限する。これは、政治活動の名を借りた事実上の選挙運動が無制限に行われると、選挙運動の規制が空洞化するためである。個人の政治活動と団体の政治活動で規律が異なる点、選挙運動費用とは別建てで政治資金規正法の規律を受ける点に注意を要する。
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