ジチテン

生物多様性基本法

読み:せいぶつたようせいきほんほう

意味

生物多様性基本法とは、生物の多様性の保全と持続可能な利用に関する施策を総合的・計画的に推進するため、基本理念や国・地方公共団体・事業者・国民の責務、生物多様性国家戦略の策定などを定める基本法である。

自治体生物多様性地域戦略を作るとき、その根拠はどこにあるのか。それを定めるのがこの基本法である。2008年に制定され、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という三つの多様性を守ることを基本目的に掲げる。国に対しては生物多様性国家戦略の策定を義務づけ、地方公共団体に対しては区域内の生物多様性地域戦略の策定を努力義務として求める。個別の規制を直接定める法律ではなく、自然公園法鳥獣保護管理法・外来生物法などの個別法を理念面で束ねる傘の役割を担う。事業計画段階での生物多様性への配慮(戦略的環境アセスメントの考え方)にもつながる原則を示している。

基本法としての位置づけ

生物多様性基本法は、個別の行為を規制する実体法ではなく、生物多様性に関わる施策の基本理念と推進体制を定める「基本法」である。環境分野では環境基本法が環境政策全体の最上位に立ち、その下で生物多様性基本法が自然環境保全の理念を具体化する関係にある。本法は国に生物多様性国家戦略の策定を義務づけ、自然公園法・自然環境保全法・鳥獣保護管理法・外来生物法・種の保存法といった個別法を理念面で方向づける。直接の罰則や許認可は個別法に委ねられており、本法自体は施策の枠組みと責務規定を中心に構成されている点が特徴である。

地域戦略の根拠と自治体の役割

本法第13条は、都道府県および市町村に対し、区域内の生物多様性の保全・利用に関する基本計画として生物多様性地域戦略を定めるよう努力義務を課している。これが自治体の生物多様性地域戦略の直接の根拠規定である。国家戦略が国全体の方針を示すのに対し、地域戦略は地域固有の生態系や種、里山・里海の利用実態を踏まえて施策を具体化する。策定は義務ではなく努力義務にとどまるため自治体ごとに取組状況の差が大きいが、国の交付金や自然共生サイトの認定とも連動し、地域の自然環境施策を体系化する基盤として位置づけられている。

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