スクラップアンドビルドとは、新たな組織・事業・定員を設ける際に、既存のものを廃止・縮小して全体の総量を増やさないようにする行政管理の原則である。組織や事務の肥大化を防ぐ手法として用いられる。
スクラップアンドビルドは、行政の組織・定員・事務事業が際限なく膨張するのを防ぐための考え方で、「新設するなら、その分どこかを廃止せよ」という規律である。新しい課や係を設けるなら既存の組織を統廃合する、新規事業を起こすなら効果の薄い事業を終了する、といった形で運用される。背景には、行政需要が増え続ける一方で財源・人員には限りがあるという制約があり、総量を抑えつつ必要な分野へ資源を振り向ける狙いがある。定員管理や機構改革、予算編成のシーリング(概算要求基準)と組み合わせて用いられることが多い。もっとも、形式的に数を合わせるだけでは真に必要な見直しにつながらないという批判もあり、事務事業評価などによって廃止・縮小の対象を見極めることになる。自治体の行政改革・人事・財政の担当が、組織や事業の新陳代謝を促す際の基本的な発想となる。
定員・組織管理における運用
スクラップアンドビルドは、定員管理や機構改革の場面で典型的に用いられる。新たな行政課題に対応するために課・係や担当を新設する場合、既存の組織を統廃合して職員数や組織数の総量を増やさないようにする。これは、組織が一度設けられると既得のものとして残りやすく、放置すれば肥大化するという経験に基づく規律である。定員適正化計画や機構改革方針の中に、新設には相応の廃止を伴わせる考え方として組み込まれることが多い。
事業・予算への応用と課題
スクラップアンドビルドの発想は、事務事業や予算にも応用される。新規事業を立ち上げる際に、優先度の低い既存事業を廃止・縮小して財源を捻出する、予算編成のシーリング(要求額の上限設定)と合わせて既存経費の削減を求める、といった運用である。ただし、廃止する事業を恣意的に選んだり形式的に数だけを合わせたりすると、本来見直すべきものが温存され、必要性の低いものだけが切られるおそれがある。このため、事務事業評価や行政評価によって、成果や必要性に基づいて廃止・縮小の対象を客観的に見極める仕組みと組み合わせることが重要となる。
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