意味
差押禁止財産とは、滞納者の生活や事業の維持等のため法律により滞納処分による差押えが禁止または制限されている財産をいう。
滞納処分で財産を差し押さえる際、何でも差し押さえてよいわけではない。差押禁止財産は国税徴収法の例により定められ、滞納者とその家族の生活に欠かせない衣服・寝具・家具、3か月間の食料・燃料、給与のうち一定額、社会保険給付など生活保障的な財産が対象となる。給与や年金は全額ではなく法定の計算による最低生活費相当額が差押禁止とされ、これを超える部分のみが差押え可能となる。徴収職員が差押えを行う前には、対象財産が差押禁止に当たらないか、給与差押えであれば差押禁止額を正しく控除しているかを確認しなければならない。差押禁止財産を誤って差し押さえた処分は違法となり、取消しや国家賠償の対象となりうるため、財産調査と並んで滞納整理の適法性を支える基本概念である。
給与・年金の差押禁止額
給与や退職年金等については、その全額が差押禁止となるのではなく、国税徴収法の例により定まる一定額のみが差押禁止とされる。具体的には、源泉徴収される所得税等・特別徴収される地方税・社会保険料を控除した残額のうち、滞納者本人と生計を一にする親族の最低生活費に相当する金額や、その金額を超える部分の一定割合が差押禁止とされ、これを超える部分が差押えの対象となる。実務では給与照会で支給額と控除額を把握し、扶養親族の数に応じた差押禁止額を計算したうえで差し押さえる必要がある。なお、いったん預金口座に振り込まれた給与は原則として預金債権に転化し差押禁止の効果が及ばないとされるが、振込直後の差押えについては裁判例が分かれており、滞納者の生活実態を踏まえて慎重に運用すべき場面がある。
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