ジチテン

産地交付金

読み:さんちこうふきん

意味

産地交付金とは、水田活用の直接支払交付金のうち、地域農業再生協議会が地域の作物振興方針に沿って使途と単価を定め、地域の裁量で配分する地域枠の交付金をいう。

国が単価を一律に決める戦略作物助成だけでは、地域ごとに異なる売れる作物への誘導はできない。そこを補うのが産地交付金である。水田活用の直接支払交付金は国が単価を定める部分と、地域が自由に設計する産地交付金の二階建てになっており、後者は地域農業再生協議会が水田フル活用ビジョンに基づいて対象作物・取組・単価を決める。たとえば二毛作の促進、高収益作物(園芸品目)への転換、耕畜連携による飼料生産、団地化やブロックローテーションといった取組に独自単価を設定し、地域が伸ばしたい品目へ重点配分する。配分の原資は国から都道府県・地域協議会へ配られる総額の枠内であり、協議会は限られた財源をどの作物・取組に振り向けるかを毎年度設計し直す。市区町村の農政担当は、この設計に深く関与し、生産者へ単価の改定内容を周知する立場にある。

地域裁量で単価と使途を設計する

産地交付金の特徴は、国が品目別単価を一律に定める戦略作物助成と異なり、対象作物・取組・単価を地域農業再生協議会が自ら設計できる点にある。協議会は水田フル活用ビジョンに地域の作物振興方針を定め、それに沿って二毛作助成、高収益作物への転換助成、耕畜連携助成、需要に応じた米生産の取組助成などのメニューと単価を設定する。配分できる総額は国から配分される枠で上限が画されるため、協議会は地域で伸ばしたい品目に重点を置きつつ、要望と財源の折り合いをつける。同じ作物でも地域ごとに単価が異なるのはこの仕組みによるもので、隣接市町村との単価差が生産者の関心事になることもある。

水田フル活用ビジョンとの一体性

産地交付金の使途は、地域農業再生協議会が定める水田フル活用ビジョンと一体で運用される。ビジョンは、その地域で水田をどの作物にどう活用していくかの中期方針を示す文書で、主食用米・飼料用米・麦・大豆・園芸作物などの作付目標と、それを支える産地交付金の活用方針を盛り込む。国はビジョンの内容と整合した取組に交付金を充てることを求めており、単年度の単価設定もこの方針の枠内で行われる。市区町村はビジョンの策定・改定に参画し、農業協同組合や担い手と調整しながら、地域の販売戦略に沿った作物誘導の設計を担う。ビジョンと交付金設計が噛み合わないと、補助は出ても売り先が定まらない作物が増える事態を招くため、出口戦略との接続が現場の要点になる。

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