ジチテン

災害応急対策

読み:さいがいおうきゅうたいさく

意味

災害応急対策とは、災害対策基本法第50条以下に規定される防災の段階のうち、災害が発生し又は発生するおそれがある場合に、災害の発生を防御し又は応急的に被害の拡大を防ぐために行う応急の措置をいう。

災害が発生した直後、自治体はどの活動を「応急対策」として実施しなければならないのか。災害対策基本法第50条はこれを列挙しており、警報の発令・伝達、避難の勧告・指示、消防・水防・救助、被災者の救護、施設の応急復旧などが含まれる。これらは災害予防(平時の備え)と災害復旧(その後の立て直し)の中間に位置する発災直後の段階であり、市町村長を中心とする災害対策本部の指揮のもとで展開される。応急対策の実施主体は市町村が第一次的責任を負うが、被害が大きく自力で対応しきれない場合には都道府県や国、他自治体からの広域応援や受援によって補完される。自衛隊の災害派遣緊急消防援助隊DMATTEC-FORCE などの応援部隊が投入されるのもこの段階である。地域防災計画では応急対策編として章立てされ、初動から応急活動までの行動が時系列で定められる。

災害対策基本法第50条が定める応急対策の範囲

災害応急対策の中身は災害対策基本法第50条第1項に列挙されている。具体的には、警報の発令・伝達と避難の勧告・指示、消防・水防その他の応急措置、被災者の救難・救助その他保護、災害を受けた児童生徒の応急教育、施設・設備の応急復旧、廃棄物の処理と清掃・防疫その他の保健衛生、犯罪の予防・交通規制その他災害地における社会秩序の維持、緊急輸送の確保などが含まれる。これらは発災時に時間との戦いで実施される措置であり、平時の備えである災害予防、原形復旧を旨とする災害復旧とは性質を異にする。市町村長が応急対策の第一次的な実施責任者であり(同法第62条)、その指揮機関として災害対策本部が置かれる。

実施主体と広域応援・受援

災害応急対策は市町村が第一次的責任を負うが、大規模災害では一自治体の能力を超えるため、重層的な応援の仕組みが用意されている。市町村は都道府県に応援を求め(災害対策基本法第68条)、都道府県は他の都道府県や国に応援を要請する。消防分野では緊急消防援助隊、医療分野では災害派遣医療チーム(DMAT)、土木分野では国土交通省の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)、福祉分野では災害派遣福祉チーム(DWAT)が応援部隊として投入される。自衛隊の災害派遣もこの段階の応急対策を担う。応援を受ける側の自治体は受援体制をあらかじめ整え、応援部隊の活動場所・資機材・情報を円滑に提供することが、応急対策の実効性を左右する。

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