災害救助基金とは、災害救助法に基づき都道府県および救助実施市が災害救助の費用に充てるためあらかじめ積み立てておく基金をいう。
大規模災害が起きてから救助の財源を一から手当てしていては、避難所の開設や食料・物資の供与といった命に直結する応急救助が間に合わない。災害救助基金は、都道府県等に平時から一定額を積み立てさせ、災害時の救助費用を即座に支出できる状態を担保するための制度である。
災害救助法は救助の実施主体を原則として都道府県(および政令で定める救助実施市)と定め、その費用に充てる基金の積立てを義務づける。積立てるべき最少額は、過去3年間の地方税収入額の一定割合を基準に算定される。災害救助に要した費用は最終的に国庫負担の対象となり、規模に応じて国が高率で負担するが、まず立て替える原資としてこの基金が機能する。財源をあらかじめ確保しておくことで、救助の遅れを資金面から防ぐ仕組みである。
積立義務と最少額の算定
災害救助基金は、災害救助法が救助の実施主体である都道府県等に積立てを義務づける目的拘束的な基金である。各都道府県等は基金を設けて運用し、災害救助に要する費用以外には使えない。積み立てるべき最少額は法令で定める方式に従い、当該団体の過去一定期間の地方税収入額の一定割合を基準として算定され、災害により取り崩して最少額を下回ったときは翌年度以降に補充しなければならない。これにより、災害がいつ起きても一定規模の救助原資が常に確保されている状態が保たれる。基金は確実かつ有利な方法で運用することとされ、果実も基金に組み入れられる。財源を事前に固定化することで、災害時の財政判断を待たずに救助へ着手できる点に制度の狙いがある。
国庫負担との関係
災害救助基金は救助費用を「まず賄う原資」だが、最終的な費用負担は基金で完結しない。災害救助法は、救助に要した費用について国が高率で負担する仕組みを置いており、都道府県等の負担が一定割合を超えると、超えた部分の多くを国が負担する累進的な構造になっている。したがって基金は、国庫負担が確定して精算されるまでの間も含め、救助を遅滞なく実行するための立替的・即応的な財源として働く。基金の取崩しで救助を行い、後に国庫負担金等で補填・精算され、減った基金は最少額まで補充されるという循環で運用される。事前積立て(基金)と事後の国庫負担を組み合わせることで、即応性と財政負担の分担を両立させている。
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