ジチテン

災害救助費

読み:さいがいきゅうじょひ

意味

災害救助費とは、災害救助法に基づく救助の実施に要した費用であり、避難所の設置や応急仮設住宅の供与などの救助種目ごとに支弁される経費をいう。

災害救助費はどの会計でどう経理し、誰が最終的に負担するのか。これは災害対応の出納を担う職員が最初に直面する論点である。災害救助法の救助は都道府県知事(救助実施市にあっては当該市長)が行う事務であり、その費用はいったん都道府県等が支弁する。支弁額が一定割合を超えると国庫負担が発生し、残りは都道府県が積み立てた災害救助基金で賄う構造になっている。市町村が知事の委任を受けて救助を実施した場合、市町村が立て替えた費用は都道府県へ求償して精算する。救助種目ごとに費用の限度額(一般基準)が定められており、これを超える救助を行うには内閣総理大臣の同意を得て特別基準を設定する必要がある。精算では領収書や救助の実施記録を救助種目別に整理し、限度額や対象範囲との突合に耐える証拠書類をそろえることが要点となる。

国庫負担の発生と区分

災害救助費の国庫負担は、都道府県等が支弁した費用の総額が当該都道府県の普通税収入見込額に対して一定割合を超えた部分に、段階的な負担率を乗じて算定される。負担率は支弁額が大きくなるほど引き上がる累進構造で、最大で十分の九に達する。残余は都道府県があらかじめ積み立てる災害救助基金から充当され、基金が枯渇した場合の特例措置も法に用意されている。国庫負担金の交付を受けるには、救助種目別に整理した精算書を国へ提出し査定を受ける必要があり、対象外経費の混入や限度額超過分の扱いが査定の主要な争点になる。市町村が知事の委任で実施した分は都道府県への求償を経て一本化される。

一般基準と特別基準

救助種目ごとに、対象者の範囲・実施期間・費用の限度額が内閣総理大臣の定める基準(一般基準)で示される。避難所の供与は災害発生の日から七日以内、応急仮設住宅の供与は供与開始から二年以内といった期間や、品目ごとの金額の上限が定められている。一般基準では救助を十分に行えない場合、知事は内閣総理大臣に協議し同意を得て特別基準を設定できる。大規模災害では期間延長や限度額の引上げが特別基準として認められた例が多く、現場の救助運営と費用の精算はこの基準の枠内で整合させる必要がある。基準を超える支出は国庫負担の対象から外れるため、特別基準の協議時期を逃さないことが実務上の要点となる。

つながりのある用語

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