災害警戒本部とは、災害対策本部の設置に至らない段階で、災害発生のおそれや軽微な災害に対し警戒・情報収集を行うために自治体が設置する組織体制である。
大雨警報は出たが災害対策本部を立ち上げるほどではない――そのとき自治体は何を根拠にどの体制を敷くのか。災害警戒本部は、この「対策本部ほどではないが平常時のままでもいられない」段階を埋める警戒段階の組織で、地域防災計画に配備基準と併せて定められるのが通例である。災害対策基本法に基づく災害対策本部とは異なり、災害警戒本部は法定の組織ではなく、自治体が地域防災計画・要綱で任意に設ける点が特徴である。気象警報の発表や一定の配備基準への該当を契機に副市町村長や防災担当部局を中心に設置され、情報収集・伝達、注意喚起、関係機関との連絡調整を担う。事態が悪化すれば災害対策本部へ移行し、収束すれば縮小・廃止される。本部長を首長ではなく副首長等とする例が多く、災害対策本部より一段軽い指揮体制で運用されるのが通例である。
災害対策本部との段階的な関係
自治体は配備体制を複数段階に分け、軽い順に警戒配備・非常配備などを設定したうえで、組織として警戒段階に災害警戒本部、本格対応段階に災害対策本部を置く。災害対策本部は災害対策基本法第23条の2等に根拠を持つ法定組織で本部長は原則として首長が務めるのに対し、災害警戒本部は法律の規定によらず地域防災計画・要綱に基づいて設けられる任意の組織で、本部長を副首長や防災担当部局長とする例が多い。気象警報の発表や被害の拡大が見込まれる場合に警戒本部から対策本部へ格上げし、事態が収束すれば対策本部を警戒本部へ縮小したうえで廃止する、という段階的な切替えが想定されている。どの事象でどの体制に移行するかは配備基準としてあらかじめ定めておくのが実務の基本である。
設置の契機と所掌
災害警戒本部は、大雨・暴風・洪水などの気象警報の発表、震度一定以上の地震、あるいは地域防災計画で定めた配備基準への該当を契機に設置される。所掌は主に情報収集・伝達と関係機関との連絡調整であり、住民への注意喚起、河川水位や土砂災害警戒情報の監視、避難情報の発令準備、参集職員の確保などを行う。災害対策本部のように災害応急対策の全般を統括する強い権限は持たず、あくまで事態の推移を見極めて対策本部への移行を判断する「前さばき」の役割が中心となる。名称は自治体により災害警戒本部・災害警戒対策本部・災害警戒連絡室など差があるが、対策本部の一歩手前に置かれる警戒段階の体制という位置づけは共通する。
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