ジチテン

旅行業法

読み:りょこうぎょうほう

意味

旅行業法とは、旅行業を営む者の登録制度と取引のルールを定め、旅行者の保護と旅行業の健全な発達を図る法律である(昭和27年法律第239号、観光庁所管)。取り扱える旅行の範囲に応じて第1種から第3種・地域限定の登録区分を設け、営業保証金の供託や旅行業務取扱管理者の選任を義務づける。

観光協会DMOまちづくり会社が自ら企画した着地型ツアーを販売・実施しようとすると、最初にぶつかるのがこの法律である。なぜなら、旅程を管理しツアーを企画・募集する行為には旅行業法上の登録が要り、無登録での実施は違法になるためで、観光振興の現場では担い手づくりがこの登録のハードルとセットになる。

登録区分は扱える旅行の範囲で分かれる。海外・国内の募集型企画旅行まで扱える第1種は観光庁長官の登録、国内中心の第2種・第3種と、取扱区域を営業所のある市町村と隣接市町村などに限る地域限定旅行業は都道府県知事の登録となり、求められる基準資産額や営業保証金も区分ごとに重い軽いの差がある。どの区分でも各営業所に旅行業務取扱管理者を選任しなければならず、取引条件の説明・書面交付・苦情処理のルールが課される。区域を絞った区分ほど参入のハードルが低いため、自治体着地型観光の担い手育成の入口として地域限定旅行業の取得支援を行う例が増えている。

登録区分の選択が事業範囲を縛る

旅行業法の実務でまず理解すべきは、登録区分が「扱える旅行の種類」と「商圏」を同時に縛る点である。第1種は海外・国内の募集型企画旅行を含めて扱えるが基準資産額が最も重く、第2種は海外の募集型企画旅行を扱えない、第3種は募集型企画旅行を実施できる区域が限定される、といった具合に、上位区分ほど扱える業務が広い代わりに財産的要件が重くなる。地域限定旅行業は取扱区域を営業所の所在市町村と隣接市町村等に絞る代わりに、要件を大きく抑え、選任すべき管理者も地域限定旅行業務取扱管理者で足りる。そのため、まず地域限定で着地型商品を始め、広域展開の必要が出てから上位区分へ変更する道筋が現実的になる。自治体の観光担当は、地域事業者がどの区分を取れば足りるかを見極めて支援先を絞ることになる。

旅行業者代理業・受託契約という別の入口

自ら登録を取らずに旅行商品を扱う道もあり、ここが混同されやすい。旅行業者代理業は、ある旅行業者の代理として契約を結ぶ業態で、所属する旅行業者を定めて登録する。また、登録区分にかかわらず、他社が企画した募集型企画旅行を受託契約に基づいて販売することは認められており、小規模事業者が自社で企画せずに販売だけ担う形態が成り立つ。観光協会やまちづくり会社が「自ら企画して売る」のか「他社商品を売る」のかで、必要な登録の有無や区分が変わるため、担い手づくりの相談では、やりたいことが企画・募集に当たるのか単なる販売・あっせんなのかを最初に切り分ける必要がある。

つながりのある用語

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