利用停止請求とは、本人が、行政機関等による自己の保有個人情報の取扱いが違法または不適正であると考えるとき、その利用の停止・消去・提供の停止を求める個人情報保護法上の請求をいう。
「自分の情報を勝手に他の目的に使われている」「もう保有しないでほしい」という申出を受けたとき、担当課はどの手続で処理するのか。利用停止請求は、開示請求・訂正請求と並ぶ本人関与の仕組みのうち、保有個人情報の取扱いそのものの適法性を争う請求である。請求できるのは、本人以外への違法な提供や、利用目的の達成に必要な範囲を超えた保有など、法が定める要件に当たる場合に限られる。請求を受けた行政機関等は調査を行い、理由があると認めるときは取扱いの是正に必要な限度で利用停止を行い、認めないときは利用停止をしない旨の決定を行って通知する。利用停止請求も開示を受けた日から90日以内に行う必要があり、決定への不服は審査請求で争う。事務の適正な遂行に著しい支障が生じる場合などは利用停止をしないことができる。
利用停止請求の要件
利用停止請求の対象となるのは、行政機関等が保有個人情報を適正に取り扱っていない場合である(個人情報保護法98条)。具体的には、利用目的の達成に必要な範囲を超えて保有されているとき、偽りその他不正の手段により取得されたものであるとき、本人の同意なく目的外利用がなされているとき、または法令に違反して第三者に提供されているときなどに、利用の停止・消去または提供の停止を請求できる。請求を受けた行政機関等は事実関係を調査し、請求に理由があると認めるときは、当該保有個人情報の取扱いの適正を確保するために必要な限度で利用停止を行う。ただし、利用停止により事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、これに代わる必要な措置をとることで足りるとされる場合がある。
三請求のなかでの位置づけと運用上の注意
開示請求・訂正請求・利用停止請求はいずれも本人の権利として独立しているが、争う対象が異なる。開示請求は「中身を見せてほしい」、訂正請求は「中身が事実と違うので直してほしい」、利用停止請求は「取扱いそのものをやめてほしい」という主張である。利用停止請求は取扱いの違法・不適正を理由とするため、適法に保有・利用されている情報について「気に入らないから消してほしい」という理由では認められない。請求期間は開示を受けた日から90日以内で、決定に不服があれば審査請求を経て情報公開・個人情報保護審査会に諮問される。実務では、同一の事案で訂正請求と利用停止請求が併せて出されることもあり、どの要件に当たる主張かを切り分けて処理する。
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