連携施設とは、小規模保育・家庭的保育などの地域型保育事業を行う者が、卒園後の受け皿の確保や保育内容の支援、代替保育の提供を受けるためにあらかじめ確保する保育所・幼稚園・認定こども園をいう。
0歳から2歳に特化した小規模保育を卒園した子どもは、3歳でどこに移るのか。地域型保育事業は満3歳未満児を主な対象とするため、子どもが3歳に達して事業を卒園した後の継続した保育・教育の場を確保しておくことが制度上求められ、その受け皿となるのが連携施設である。子ども・子育て支援法に基づく市町村の認可の前提条件として、事業者は卒園後の受け皿、保育内容の支援、職員の病気や休暇時の代替保育という3つの連携を担う認可保育所・幼稚園・認定こども園を確保しなければならない。とくに卒園後の受け皿は、小規模保育を利用した世帯が3歳で再び入所選考に並ぶ不安を和らげるため、連携施設に優先利用枠を設ける形で機能する。もっとも、都市部では受け入れ余力のある認可施設が乏しく、地方では近隣に連携先となる施設自体が少ないため、連携施設の確保は地域型保育の拡充を妨げる実務上の壁になってきた。このため経過措置として連携施設の確保義務を一定期間猶予する扱いが設けられ、企業主導型保育など連携施設に代わる卒園後の受け皿を認める運用も広がっている。
3つの連携内容と確保義務
連携施設に求められる連携は、内閣府令で3つに整理されている。第一は保育内容の支援で、地域型保育事業の保育士に対する助言や合同保育や行事の共同実施によって、小規模事業者単独では確保しにくい集団保育の経験を補う。第二は代替保育の提供で、地域型保育事業の職員が病気や休暇で保育を行えないとき、連携施設が代わって子どもを受け入れる。第三が卒園後の受け皿で、満3歳到達により事業を卒園する子どもが引き続き保育・教育を受けられるよう、連携施設が優先的に受け入れる。市町村は地域型保育事業を認可する際、これら3つの連携先を確保していることを前提条件として審査する。連携施設の確保は単なる努力義務ではなく、認可と給付の要件に組み込まれている点が、地域型保育事業に特有の負担となっている。
確保が進まない実情と緩和措置
連携施設の確保は、制度の理念どおりには進んでこなかった。受け入れ側の認可保育所や認定こども園にとって、地域型保育の卒園児に優先枠を割くことは自園の入所選考の自由度を下げるため、連携に応じる動機が乏しい。都市部では定員に余裕のある認可施設がそもそも少なく、地方では近隣に連携先となりうる施設が存在しない地域もある。このため国は経過措置として連携施設の確保義務を段階的に猶予し、当初の期限を繰り返し延長してきた。あわせて、卒園後の受け皿に限っては、企業主導型保育事業や、市町村が利用調整で卒園児の入所を優先する運用などを連携施設の確保に代わるものとして認め、確保義務を緩める方向で制度が運用されている。連携施設をめぐる課題は、地域型保育の量的拡大と保育の連続性をどう両立させるかという、新制度の積み残しの一つである。
つながりのある用語
関連
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)