農業協同組合法とは、農業者の協同組織である農業協同組合(JA)や農事組合法人などの設立・運営・事業の範囲を定め、農業者の経済的・社会的地位の向上と農業生産力の増進を図ることを目的とする法律である(昭和22年法律第132号)。
JA(農協)はどんな法律を根拠に設立され、何ができる組織なのか。その骨格を定めるのが農業協同組合法である。農業者が共同で出資して組合をつくり、購買・販売・信用・共済・営農指導といった事業を営む仕組みを定めるとともに、農事組合法人の設立根拠ともなっている。
組合は、農業者である正組合員が事業を利用する協同組織として位置づけられ、員外利用の制限や一人一票の議決権など、株式会社とは異なる協同組合の原則が法に書き込まれている。設立には行政庁への届出または認可が必要で、信用事業や共済事業を行う組合には金融規制も及ぶ。
自治体の農政担当にとっては、地域農業の担い手である農業者を束ねるJAの法的性格を押さえる前提となる法律である。農地の集積や地域計画の策定、共同利用施設の整備などでJAと連携する場面は多く、組合が法に基づいてどこまでの事業を行えるかは連携の枠組みを左右する。2015年の改正では、中央会制度の見直しや農業者の所得向上に資する事業運営への転換が図られ、JAグループの組織再編が進んだ。
協同組合としての性格と事業範囲
農業協同組合法は、農業者が相互扶助の精神に基づき共同して経済活動を営む協同組織として農業協同組合を位置づける。組合は地域の農業者を正組合員とし、出資配当や議決権で株式会社とは異なる協同組合の原則(一人一票、員外利用の制限など)に従う。法が認める事業は幅が広く、肥料や農機を共同で仕入れる購買事業、農産物を共同で売る販売事業、貯金・貸付を扱う信用事業、共済事業、営農指導、共同利用施設の設置などが含まれる。信用事業・共済事業を営む組合には農業協同組合法のほか金融・保険関連の規制が重ねて適用され、組合の健全性を確保する規律が及ぶ。組合の上に都道府県段階・全国段階の連合会が置かれ、JAグループとしての二段階・三段階の組織構造をとってきた。
農事組合法人の根拠と2015年改正
農業協同組合法は、農業協同組合(JA)だけでなく、集落営農の法人化などで用いられる農事組合法人の設立根拠でもある。農事組合法人は、共同利用施設の設置や農作業の共同化を行う1号法人と、農業経営そのものを行う2号法人に分かれ、同法に基づいて設立・運営される。2015年の改正は、JAグループの組織と事業の見直しを柱とした。全国中央会を一般社団法人へ移行させて中央会制度を再編し、組合が農業者の所得向上に重点を置いた事業運営へ転換することを促した。自治体が地域計画の策定や農地の集積・集約、共同利用施設の整備でJAや農事組合法人と連携する際、これらの組織が同法に基づいてどこまでの事業を担えるかが連携設計の前提となる。
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