認容とは、審査請求や訴えに理由があると認め、処分の全部または一部を取り消し・変更し、あるいは申立人の請求を認める裁決・判決である。
違法な処分を受けた住民や事業者にとって、その救済が実現するかどうかは認容の裁決・判決を勝ち取れるかにかかる。認容は、審査庁や裁判所が処分を違法・不当と判断し、申立人の言い分を認めて処分を取り消し・変更する結論である。中身を審理して言い分を退ける棄却の正反対であり、不適法を理由に門前で切る却下とも段階が異なる。処分の一部だけに理由を認める場合は一部認容となり、その範囲で処分が修正される。
審査請求での認容裁決には強い効力があり、処分庁は裁決の趣旨に拘束され、同じ事由で同じ処分を繰り返すことができない(拘束力)。裁決書・判決書では主文に「処分を取り消す」「審査請求を認容する」と記される。実務では認容が出る割合は高くないため、認容裁決・認容判決はその後の行政運用の見直しを迫る重い結果として扱われる。
認容裁決の拘束力が処分庁を縛る
認容は申立人の救済が実現する結論であり、とりわけ審査請求での認容裁決には処分庁を縛る拘束力がある。認容裁決によって処分が取り消されると、処分庁はその裁決の趣旨に従う義務を負い、同一の事情のもとで同一の理由による同じ処分を再び行うことができない。これにより、形だけ処分をやり直して同じ結論を出す潜脱が防がれる。取消訴訟の認容判決(取消判決)も同様に関係行政庁を拘束する。認容は単に一回の処分を覆すだけでなく、処分庁にその後の運用の是正を迫る点に重みがある。
全部認容と一部認容
認容には、処分の全部を取り消す全部認容と、処分の一部にのみ理由を認める一部認容がある。たとえば課税処分のうち一定額を超える部分だけが違法とされる場合、その超過部分について処分が取り消され、残りは維持される。一部認容は、申立人の主張がすべて通ったわけではないが、争った範囲の一部で救済が認められた状態を指す。裁決書・判決書では取り消される範囲が主文で特定される。申立人にとっては、求めた救済の一部が実現する結果であり、残部については却下・棄却と同じく不服が残ることになる。
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