ジチテン

年齢主義

読み:ねんれいしゅぎ

意味

年齢主義とは、児童生徒の学年や進級・卒業を、課程の修得状況ではなく満年齢を基準として進める考え方である。日本の義務教育では原則としてこの年齢主義がとられ、原級留置(落第)はまれである。修得を基準とする課程主義に対する概念である。

ある子が学年の内容を十分に身につけていなくても、同い年の仲間とともに次の学年へ上がっていく——日本の小中学校で当たり前に見えるこの運用は、年齢主義という一つの選択の結果である。年齢主義は、進級・卒業を学習内容の修得度ではなく年齢で進める考え方で、満6歳で就学し原則として毎年進級する日本の義務教育を支えている。これに対し、所定の課程を修得しなければ進級・卒業を認めない考え方を課程主義と呼ぶ。日本の制度は学齢就学義務の及ぶ年齢)を軸に組み立てられ、学校教育法上は原級留置も否定されないものの、実際にはほとんど行われず事実上の年齢主義として運用されている。この運用は、同年齢集団での学びや社会性の育成を重んじる一方、未修得のまま進級する子への学習保障や、不登校で出席日数が乏しい生徒の卒業認定をどう扱うかといった難しい論点を生む。夜間中学や学び直しの議論も、この年齢主義と課程主義の緊張のうえにある。

日本の義務教育を貫く運用原理

年齢主義は、学年・進級・卒業を満年齢で進める考え方であり、課程の修得度を基準とする課程主義と対をなす。日本の学校制度は、就学義務の及ぶ年齢である学齢(満6歳から満15歳に達した日の属する学年の末日まで)を軸に組み立てられており、毎年の進級と中学校卒業がこの年齢の進行に沿って運用される。学校教育法施行規則校長が課程の修了・卒業を認定すると定め、法令上は修得を要件とする余地(課程主義的要素)を残すが、実務では原級留置(落第)はほとんど行われず、事実上の年齢主義として機能している。この運用は同年齢集団による学びと社会性の育成を重視する一方、未修得のまま進級する児童生徒の学習保障という課題を内在させる。

不登校・学び直しの場面で立ち上がる論点

年齢主義と課程主義の緊張は、出席日数が乏しい不登校の生徒や、義務教育を十分に受けられなかった人の学び直しの場面で具体的に表れる。不登校の生徒については、形式的に出席日数が不足していても校長の判断で卒業を認定する運用がとられ、年齢に応じた卒業(年齢主義)を実質的に優先する例が多い。一方、義務教育未修了者の学び直しを保障する夜間中学(中学校夜間学級)や、教育機会確保法に基づく取組は、年齢を超えて課程の修得をやり直す機会を開くもので、課程主義的な発想を補う仕組みといえる。年齢で進める運用を基本に据えつつ、修得保障の要請とどう両立させるかが、この語をめぐる制度設計上の論点となる。

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