みどりの食料システム戦略とは、農林水産省が2021年に策定した、食料・農林水産業の生産力向上と持続可能性の両立を環境負荷低減により実現するための中長期戦略である。
農業を続けながら、化学肥料や農薬への依存をどう減らし脱炭素にどう貢献するか――この問いに国の方針として答えたのがみどりの食料システム戦略である。農林水産省が2021年に策定し、2050年までの目標として、農林水産業の二酸化炭素排出を実質ゼロにすること、化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減すること、化学肥料の使用量を30%低減すること、有機農業の取組面積を全農地の25%(100万ヘクタール)に拡大することなどを掲げる。2022年には戦略を法的に裏づけるみどりの食料システム法が施行され、環境負荷低減に取り組む農業者の計画を都道府県が認定し、税制・融資で支援する仕組みが設けられた。
掲げる数値目標
みどりの食料システム戦略は2050年までに達成すべき複数の数値目標を示す。代表的なものは、農林水産業由来の二酸化炭素排出を実質ゼロにすること、化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減すること、化学肥料の使用量を30%低減すること、有機農業の取組面積を全農地の25%にあたる100万ヘクタールへ拡大することである。いずれも現状からの隔たりが大きく、2030年などの中間目標と、それを支える技術開発(生分解性資材、スマート農業、ゲノム編集など)の進展が前提となっている。目標は欧州連合の「農場から食卓まで(Farm to Fork)戦略」を意識した水準で、貿易や国際的な環境基準とも連動する。
みどりの食料システム法による裏づけ
2022年に環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(みどりの食料システム法)が施行され、戦略に法的根拠が与えられた。国が基本方針を定め、都道府県と市町村が基本計画を作成したうえで、化学肥料・農薬の低減や有機農業に取り組む農業者が環境負荷低減事業活動実施計画を作成し都道府県知事の認定を受けると、所得税・法人税の特例や日本政策金融公庫の融資といった支援を受けられる。生産者だけでなく、機械・資材メーカーなど事業者の取組(基盤確立事業実施計画)も認定対象とし、サプライチェーン全体での環境負荷低減を後押しする構造になっている。
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