ジチテン

身分保障

読み:みぶんほしょう

別名:職員の身分保障
意味

身分保障とは、地方公務員法第27条に基づき、職員は法律又は条例に定める事由による場合でなければ意に反して不利益な処分を受けないとする、公務員の身分の安定を支える原則である。

公務員はなぜ簡単には辞めさせられないのか、という素朴な疑問の根に身分保障がある。身分保障は、職員の身分を不当な圧力から守ることで、職員が時の権力や上司の意向に左右されず全体の奉仕者として職務を遂行できる基盤を確保する仕組みである。

地方公務員法第27条は、職員の意に反する降任免職休職などの不利益処分を、法律又は条例で定める事由による場合に限ると定める。これにより、任命権者が恣意的に職員を降格・解職することを封じ、処分の理由を客観的な根拠に縛る。身分保障があるからこそ、職員は住民の不利益になる違法な命令にも一定の独立を保って向き合える。

もっとも身分保障は無条件ではない。勤務実績が良くない場合や心身の故障といった分限の事由、非違行為に対する懲戒の事由があれば、法定の手続を経て降任・免職・休職などの処分は行われる。身分保障は職員を免責する盾ではなく、処分を客観的な事由と手続に縛る歯止めとして働く。

分限・懲戒との関係

身分保障は、分限と懲戒という二つの不利益処分の制度と表裏一体で理解する必要がある。地方公務員法第27条第2項は降任・免職を分限の事由による場合に、同条第3項は懲戒を法定の事由による場合に限ると定め、いずれも処分できる場面を法律で閉じている。分限は勤務実績不良や心身の故障など職員の責めに帰さない事情に着目した能率の保持のための処分であり、懲戒は職務上の義務違反など非違行為に対する制裁である。身分保障は、この二つの入口以外からは職員の身分を奪えないという形で、処分の事由を限定する。逆にいえば、法定の事由に該当し定められた手続を踏めば処分は適法に成立するため、身分保障は職員を一切の処分から守るものではない。

条件付採用期間・臨時的任用職員との違い

身分保障の及び方は任用の形態によって異なる。正式採用された職員には第27条の身分保障が全面的に及ぶが、条件付採用期間中の職員や臨時的任用職員には、不利益処分に関する規定の一部が適用されない。条件付採用は採用後の一定期間に職員としての適性を実地で見極める仕組みであり、この間は身分保障が弱められ、本採用に至らないこともある。臨時的任用職員も同様に身分保障の範囲が限定される。身分保障を語るときは、どの任用形態の職員を対象としているのかを確かめることが、制度の理解を誤らないために欠かせない。

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