ジチテン

ラストワンマイル

読み:らすとわんまいる

別名:ラスト・ワンマイル
意味

ラストワンマイル(物資輸送)とは、被災地に届いた支援物資を市町村の物資集積拠点から、各避難所や在宅被災者の手元まで仕分けし配り届ける最終区間の輸送をいう。

被災地の物資拠点には全国から支援物資が山積みなのに、なぜ目の前の避難所には毛布一枚届かないのか。この拠点から避難所までの最終区間を担う輸送がラストワンマイルである。物流の世界で配達の最終工程を指す言葉を、災害時の物資供給に転用したもので、ここが詰まると拠点に物資が滞留し、必要な場所へ行き渡らない。熊本地震では大量の物資が拠点に届きながら、仕分けする人手・配送する車両・どこに何が要るかの情報が足りず、避難所に物資が回らない事態が起きた。解決には、運送事業者との災害時応援協定による専門人材の確保、物資の在庫と避難所の需要を突き合わせる情報システム、拠点運営を担う応援職員受援体制が要る。プッシュ型支援で大量の物資を送り込むほど、受け止める側のラストワンマイルの能力が物資供給全体のボトルネックになる。

ボトルネックになる理由

支援物資の流れは、生産地・備蓄拠点から被災都道府県の広域物資拠点、市町村の物資集積拠点、そして各避難所・在宅被災者へと段階を下る。上流は鉄道・トラックによる大量輸送で比較的流れやすいが、最終区間のラストワンマイルでは、物資を品目ごとに仕分けし、避難所ごとの需要に合わせて小分けにし、狭い道や渋滞のなかを個別配送する手間が一気に増える。市町村職員は被災対応に忙殺され、避難所ごとの過不足を把握する情報も乏しい。結果として、上流で送り込む物資が多いほど拠点に積み上がり、必要な避難所に届かない目詰まりが起きる。熊本地震・東日本大震災の教訓として、この最終区間の能力が物資供給全体の律速段階になることが繰り返し指摘されてきた。

解決の方向

対策の中心は、物流の専門知識を持つ民間事業者の力を借りることである。運送会社や倉庫業者と平時に災害時応援協定を結び、拠点運営・仕分け・配送を委ねる枠組みが各地で整備されている。あわせて、物資の在庫量と各避難所からの要請を電子的に突き合わせて配送の優先順位を決める情報システムや、避難所運営側が需要を正確に上げる体制づくりが要る。要請を待たずに送り込むプッシュ型支援は初動の空白を埋める一方で、受け手のラストワンマイルが整わなければ過剰在庫を生むため、被災地が必要なものを要請するプル型への切り替え判断と一体で設計する必要がある。

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