ジチテン

教科書検定

読み:きょうかしょけんてい

意味

教科書検定とは、民間で著作・編集された教科書図書について、文部科学大臣が学習指導要領等への適合性を審査し、教科書として使用することの適否を決定する制度である。学校教育法に基づき、教科用図書検定調査審議会への諮問を経て行われる。

国がすべての教科書を直接執筆するのでもなく、出版社が自由に作ったものをそのまま使うのでもない——日本の教科書はこの中間に位置する。教科書検定は、民間の出版社が著作・編集した図書を文部科学大臣が審査し、学習指導要領に適合し記述が公正・正確であるかを確かめたうえで教科書として認める仕組みである。これにより全国の教育水準を一定に保ちつつ、複数の発行者による多様な教科書が並立する状態を両立させている。審査は文部科学大臣の諮問機関である教科用図書検定調査審議会が実質的に担い、検定意見に基づく修正を経て合否が決まる。検定を経た教科書のなかから、どれを実際に使うかを選ぶのは別の手続きである教科書採択であり、検定と採択は段階が異なる点に注意が要る。記述内容をめぐっては歴史教科書を中心に過去から論争があり、検定の中立性・透明性が常に問われてきた制度でもある。

検定と採択は別の段階である

教科書をめぐる手続きは、(1)発行者が図書を著作・編集し、(2)文部科学大臣が学習指導要領等への適合を審査して合否を決める検定、(3)検定合格本のなかから実際に使用する教科書を決める採択、の順で進む。検定は「教科書として使える資格があるか」を国が判定する段階であり、採択は「そのうちどれを使うか」を採択権者(公立小中学校は市町村教育委員会、国私立等は校長)が選ぶ段階で、両者は主体も判断内容も異なる。検定を通っても採択されなければ現場では使われず、逆に採択は検定合格本以外から選べない。この二段構えを混同すると、教育委員会が「検定する」かのような誤解を生むため、所掌の区別が重要である。

文部科学大臣の権限と審議会の役割

検定の権限は学校教育法第34条等により文部科学大臣に属するが、実際の専門的審査は同大臣の諮問機関である教科用図書検定調査審議会が担う。発行者の申請に対し、教科書調査官の調査と審議会の審議を経て検定意見が示され、発行者がこれに応じて修正を行ったうえで合否が確定する。記述の正確性・中立性・学習指導要領適合が審査の柱であり、とりわけ歴史・公民分野の記述をめぐっては検定意見の当否が社会的論争となってきた。検定基準・手続きの透明性確保はこの制度の継続的な課題であり、検定意見の概要は公表される運用がとられている。

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