ジチテン

境界層措置

読み:きょうかいそうそち

別名:境界層該当措置別名:境界層該当者
意味

境界層措置とは、より低い基準を適用すれば生活保護を必要としなくなる者(境界層該当者)について、介護保険料や利用者負担などをより低い段階に引き下げ、生活保護に至らないようにする取扱いをいう。

本来の基準どおりに介護保険料利用者負担を課すと生活保護が必要になるが、その負担を一段下げれば保護を受けずに済む――こうした生活保護の受給と非受給の境目にいる人をどう扱うか。境界層措置は、福祉事務所が境界層該当者であることを証明し、その証明にもとづいて介護保険料・高額介護サービス費の負担上限・施設の食費居住費などをより低い段階に適用することで、生活保護の適用を回避する仕組みである。生活保護の補足性の原理のもとでは、利用できる他制度を活用してなお最低生活費に満たない場合に保護が適用されるが、負担段階の引下げという他制度内の調整で自立した生活が維持できるなら、そちらが優先される。実務では、生活保護の申請や相談を受けた福祉事務所が要否判定の過程で境界層に該当すると判断した場合に証明書を発行し、介護保険保険者がこれを受けて負担段階を決定する。生活保護のケースワークと介護保険の事務が連携する場面であり、どの段階まで下げれば保護が不要になるかを段階的に当てはめて判定する点に特徴がある。

境界層該当の判定と証明

境界層措置は、介護保険料や利用者負担を法令上のより低い段階に適用すれば生活保護を要しなくなる者を救済する仕組みで、福祉事務所が境界層該当者であることを証明することで発動する。判定は、本来適用される負担額のままだと最低生活費を下回り保護が必要になるが、保険料段階の引下げ、高額介護サービス費の負担上限額の引下げ、施設サービスの食費・居住費の負担限度額の引下げといった措置を順に当てはめると保護が不要になる、という関係を確認して行う。最も負担の重い段階から一段ずつ下げ、保護を要しなくなる最初の段階を適用するのが原則で、福祉事務所はこの判定結果を境界層該当証明書として交付し、介護保険の保険者がこれにもとづいて負担段階を決定する。生活保護のケースワークと介護保険事務をまたぐため、両部署の連携が前提となる。

補足性の原理との関係

境界層措置は、生活保護の補足性の原理の延長線上にある取扱いである。補足性のもとでは、活用できる他制度をすべて活用してなお最低生活費に満たない場合に保護が適用されるが、介護保険制度の内部に用意された負担軽減の段階を適用することで自立した生活が維持できるなら、生活保護よりそちらが優先される。これにより、保護を受けずに在宅や施設での生活を続けられる利用者が一定数生じ、自治体にとっても生活保護費の支出を抑える効果を持つ。一方で、境界層に該当するかどうかは負担段階の組合せによって変わるため、判定を誤ると本来受けられる軽減を受けられなかったり、逆に保護が必要な人を境界層措置で留め置いたりするおそれがあり、要否判定の過程で慎重に当てはめる必要がある。

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