教育の機会均等とは、すべて国民が、その能力に応じてひとしく教育を受ける機会を与えられ、人種・信条・性別・社会的身分・経済的地位・門地によって教育上差別されてはならないとする原則をいう。
経済的に苦しい家庭の子に就学援助を行ったり、障害のある子に合理的配慮をしたりする行政の取組は、なぜ正当化されるのかを問われたとき、その根拠となる原理が教育の機会均等である。日本国憲法第26条は能力に応じてひとしく教育を受ける権利を保障し、教育基本法第4条はこれを受けて、教育上の差別の禁止、障害のある者への教育上必要な支援、経済的理由により修学が困難な者への奨学の措置を国・地方公共団体に求めている。この原則は、たんに形式的に同じ扱いをすることではなく、置かれた状況の違いに応じて必要な支援を行い、実質的に教育を受ける機会を等しくすることを含む。具体的には、就学援助・就学奨励費・高等学校等就学支援金・高等教育の修学支援新制度といった経済的支援や、特別支援教育・日本語指導など多様な学びの保障がこの原則の具体化として位置づけられる。自治体にとっては、これらの施策を行う際の上位の理念であり、施策の優先度や対象範囲を判断する際の基準となる。
憲法第26条と教育基本法第4条
教育の機会均等は、日本国憲法第26条第1項が定める「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」という規定に源を持つ。これを具体化する教育基本法第4条は、人種・信条・性別・社会的身分・経済的地位・門地による教育上の差別を禁じたうえで、国・地方公共団体に対し、障害のある者がその状態に応じて十分な教育を受けられるよう必要な支援を講じること、経済的理由により修学が困難な者へ奨学の措置を講じることを義務づけている。つまり機会均等は、差別の禁止という消極的な側面と、不利な状況にある者を支える積極的な支援という側面の双方を含む原則である。
自治体施策における具体化
教育の機会均等は、自治体の多様な施策の理念的な土台となっている。経済的支援の面では、学用品費や給食費などを援助する就学援助、特別支援教育を受ける児童生徒の保護者を支援する特別支援教育就学奨励費、高校段階の高等学校等就学支援金・高校生等奨学給付金、大学等の高等教育の修学支援新制度などがある。学びの保障の面では、障害のある子への特別支援教育や通級による指導、外国人児童生徒等への日本語指導、不登校の児童生徒に対する教育機会の確保(教育機会確保法)などが、状況に応じて等しく学ぶ機会を開く取組として位置づけられる。これらは個別の制度として運用されるが、いずれも教育の機会均等という共通の原則に根ざしており、自治体が施策の対象や水準を判断する際の基準となる。
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